顔料の分散安定化と使いこなし術

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本セミナーでは、顔料について取り上げ、顔料の分散安定化の基礎から、均一安定化のための分散剤の最適な選択法、分散機の使い方、評価・利用技術までを解説いたします。

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プログラム

第1部 粒子分散およ び表面処理の基本的な考え方とその具体例

(2024年6月5日 10:00〜11:30)

 化粧品・塗料・インキ等の製造において、粉体の分散は重要である。乾燥して凝集した粉体を液体に1次粒子近くまで分散し、その状態を維持することで、透明性、光沢、着色力特性等を発揮させることができる。この分散の単位過程を理解することが第一のステップである。また、粒子の分散に欠くことができないのが表面処理である。表面処理の目的は分散だけではないが、固相法、液相法、気相法などの例を挙げて表面処理の全体像を示す。最後に講演者等が開発した機能性ナノコーティングについて、そのメカニズムや応用例などを示す。  化粧品・塗料・インキ以外でも粉体を分散させて機能を出す分野があり、本講演の知見が役立つと思われる。粒子分散と粒子の表面処理を大まかに知ることで、現在粉体を扱っている研究者・技術者の悩みの解決や新しい開発に役立つことを願っている。

  1. 粒子の分散
    1. 固体と液体の表面張力
    2. 粒子の濡れ
    3. 接触角
    4. ZISMANプロット
    5. 分散安定化
  2. 乳化系への分散
    1. W/O型
    2. O/W型への粒子分散
    3. サンスクリーンの例
  3. 表面処理の基本的な考え方
    1. 表面処理の分類
    2. 固相法
    3. 液相法
    4. 気相法
  4. 機能性ナノコーティング
    1. 環状シリコーンによるナノコーティング
    2. ナノ膜が形成する理由
    3. 粒子表面の触媒活性の封鎖による共存成分の安定化
    4. ペンダント基付加と機能性
  5. 表面処理前後に測定する項目、固相・液相・気相の比較

第2部 顔料湿潤剤、分散剤の機能と選び方

(2024年6月5日 12:10〜13:40)

 溶剤系/水系分散剤の構造と、その作用機構、適用例について理解し、対象とする系に適した分散剤を選定するための知識を得る

  1. 湿潤分散剤の機能
    • 顔料分散プロセスにおける湿潤剤・分散剤の働き
  2. 界面活性剤の基礎知識
    1. 界面活性剤の働き
    2. 分類
    3. 構造毎の特徴
  3. 顔料分散における湿潤剤の作用機構
    1. Young式・Washburn式
    2. 分散系ごとの湿潤難易度の違い
    3. 湿潤剤の評価法
    4. 湿潤剤に適した界面活性剤の例
  4. 顔料分散における分散剤の作用機構
    1. 低分子/高分子分散剤の性能
    2. 静電反発 (DLVO理論) と立体反発 (混合効果・エントロピー効果) による安定化
    3. 分散剤の吸着機構
    4. 分散剤の吸着コンフォメーション
    5. 一般的な分散剤の構造例 (水系・溶剤系)
  5. 混色安定化剤:相溶化剤の構造と作用機構
  6. 湿潤分散剤の適用方法
    1. 適用するプロセス
    2. 添加量
    3. 湿潤分散剤の影響など

第3部 ビーズミルによる顔料の分散技術

(2024年6月5日 13:50〜15:20)

 塗料やインキの製造において、顔料の分散工程は重要な工程である。分散工程に用いられる分散機には様々な種類があるが、ビーズミルは微細化が可能で分散効率がよい装置である。このビーズミルの分散技術について解説する。

  1. 粉砕・分散・乳化について
  2. ビーズミルの用途
  3. 分散機の原理・特徴
  4. ビーズミルの原理・特徴
  5. ビーズミルの運転方法
  6. ビーズミルの粉砕・分散効率に影響を与える因子
  7. 微小ビーズの効果
  8. 投入動力量と粉砕・分散の関係
  9. 過分散とマイルド分散R
  10. マイクロビーズ対応型ビーズミル
  11. ビーズ分離能力強化型ビーズミル
  12. ビーズミルでの分散例

第4部 パルスNMRによる分散性評価および粒子界面特性評価

(2024年6月5日 15:30〜17:00)

 膜分離法は省エネルギーであることから、溶液分離やガス分離などへの応用が期待されている。しかしながら、実用化においては、用途や操作条件に適した膜材料を選定していくことが必要である。例えば、二酸化炭素分離膜では二酸化炭素選択性と透過性にはトレードオフの関係があり、その限界を超える分離性能をもつ膜の開発が目指されている。しかしながら、新しい高分子材料を膜化し試験を行うには時間が掛かる。  そこで、機械学習法を活用し、膨大な実験データの網羅的な取り扱いから、効率的な材料探索を行うことが期待される。近年、機械学習を用いて所望の物性をもつ材料を逆設計するマテリアル・インフォマティクスが注目されている。本発表では、生成モデルなどの機械学習を利用した逆設計の手法を紹介し、分離膜構造の理論設計への応用例について紹介する。

  1. パルスNMRにおける緩和時間とは
    1. 測定原理
    2. 運動性の評価と分散体評価の違い
  2. パルスNMRによる分散凝集状態の評価
    1. 分散条件の異なる分散体評価粒子径計測との比較
    2. 緩和時間から予測した最適な分散条件と希薄評価法との比較
    3. 緩和時間から予測した最適な分散条件と他原理による高濃度評価法との比較
  3. パルスNMRによる粒子界面特性評価 ・ 濡れ性評価
    1. 表面処理の異なる粉体の界面特性評価
    2. ロットの異なる粉体の界面特性評価
    3. 最適な分散剤量や種類の選定方法
    4. 細孔のある粒子の表面処理終点時間の決定例
  4. 異なる溶媒への濡れ性評価〜HSPへの応用
    1. 金属酸化物の表面処理有無による評価事例
    2. 粒子に適した溶媒混合比の推定と検証

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