第1部 糖尿病性末梢神経障害性疼痛治療の現状とこれからの新薬に期待すること
(2024年5月27日 10:30〜12:00)
わが国実臨床おける糖尿病性末梢神経障害性疼痛 (DPNP) の治療満足度は低い実態があります。これは、糖尿病診療医の多くがDPNPの診断と治療に精通しておらず、漸増や併用を要するDPNP治療薬を十分使いこなせていないことが一因と考えられます。DPNP患者のニーズに応えるために、十分な疼痛抑制効果、速効性、忍容性があり、用量調節不要な薬剤が開発されること、そして糖尿病診療医がDPNP患者に向き合う機運が生まれることが期待されます。
- 糖尿病性多発神経障害 (diabetic polyneuropathy: DPN)
- 細小血管症とdying back型軸索変性 (軸索長依存性障害)
- 病態 (ポリオール代謝異常を中心に)
- 小径神経障害、大径神経障害、陽性症状と陰性症状
- 感覚、運動、自律神経障害
- DPNの診断 〜簡易診断基準
- 必須項目
- 条件項目 (自覚症状、アキレス腱反射、振動覚検査)
- 注意事項
- DPNの臨床病期分類
- 前症候期 (簡易診断基準満たさない)
- 無症状期 (自覚症状なし、神経学的異常のみ)
- 症状期前期 (感覚系陽性症状出現)
- 症状期中期 (明らかな自律神経障害、感覚系陰性症状進行)
- 症状期後期 (運動神経障害)
- 糖尿病性末梢神経障害性疼痛 (diabetic peripheral neuropathic pain: DPNP)
- DPNPの診断と治療
- DPNP治療ガイドライン (JSPC)
- 最近のエビデンスとADAコンセンサス
- DPNP治療アルゴリズム (私案) ?保険適用を考慮して
- わが国のDPNP治療の現状と問題点
第2部 薬剤師の視点で神経障害性疼痛を再考する
(2024年5月27日 13:00〜14:30)
神経障害性疼痛は、痛覚受容器への刺激ではなく、末梢または中枢神経系の損傷または機能障害によって発生する。神経障害性疼痛は、疼痛疾患の中でも重症度が高く罹患期間が長いためQOLの低下が著しい。
がん患者では、末梢神経、神経叢、脊髄、脳へのがんの浸潤、手術療法、薬物療法や放射線治療などが原因となり、難治性疼痛となるケースも少なくない。
通常の鎮痛薬のみでは十分な除痛ができずに、鎮痛補助薬を使用または併用することが多い。さまざまな薬剤が鎮痛補助薬として使用されているが、質の高い臨床研究は少なく、本邦において疼痛に関連する適応症を有する薬剤は限られている。
このように患者のQOL低下の要因の一つである神経障害性疼痛について薬剤師の立場から症例を交えて現状について述べることとする。
- 神経障害性疼痛のキホン
- 神経障害性疼痛の概論
- 非がん患者の神経障害性疼痛
- がん患者の神経障害性疼痛
- ガイドラインや論文から見た神経障害性疼痛の治療 (薬物療法・非薬物療法など)
- 実症例からがん患者の神経障害性疼痛を再考 など
第3部 これだけは知っておきたい!痛みと神経障害性疼痛を理解する
(2024年5月27日 14:45〜16:00)
神経障害性疼痛は難治化慢性化しやすく、通常の鎮痛薬が効かないやっかいな病態である。神経障害性疼痛の治療薬の開発にあたっては、痛みについての基本的な知識が必須である。
本講演では、痛みを学ぶ上で必要な解剖から、痛みの分類に関する最近の話題や、神経障害性疼痛の難治化するメカニズムや薬物療法、ペインクリニックでの取り組みについて紹介する。
- 痛みについて
- 痛みを分類する
- 侵害受容性疼痛、神経障害性疼痛、痛覚変調性疼痛とは
- 急性疼痛と慢性疼痛の違いと慢性疼痛に関する最近の話題 (ICD-11)
- 神経障害性疼痛について
- 神経障害性疼痛とは何か
- 原因疾患、
- どうやって診断するのか
- 神経障害性疼痛の治療 薬物療法、インターベンショナル治療
- 痛み、特に神経障害性疼痛はどうして難治化するのか
複数名同時受講割引について
- 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 45,000円(税別) / 49,500円(税込) で受講いただけます。
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