2007年に発表された電磁誘導を基にした磁界共鳴は、大きなエアギャップかつ位置ずれが生じても、高効率の電力伝送が可能な技術である。電気自動車 (EV) へのワイヤレス充電、家電へのワイヤレス給電、センサ類へのワイヤレス給電、ガン治療応用など、多くのアプリケーションに対応可能であり、大きな注目を浴びている。この磁界共鳴は反射を考慮した高周波理論での説明が頻繁になされ、一般の回路理論技術者にとって敷居が高い説明が多くなされてきた。
そこで、本セミナーにおいては、高周波特有の現象を無視しても問題なく本現象が扱える、一般的な領域における磁界共鳴について基礎から紹介する。コイルの特性からシステムまで一通りの技術について説明する。省令改正や停車中充電の国際標準化や規格動向 (SAE規格J2954など) そして、走行中充電の規格も含め最新動向についても紹介する。
- ワイヤレス電力伝送の背景と4方式
- ワイヤレス電力伝送の需要背景・最新動向
- 現在と将来のワイヤレス給電の使用法紹介
- 医療 (がん治療・ライフタイムアンクルバンド)
- センサ類
- 宇宙向け
- 海水応用
- 鉄筋透過応用
- ロボットなど
- 磁界結合方式
- 電界結合方式
- マイクロ波電力伝送方式
- レーザー電力伝送方式
- 標準化動向など
- 標準化動向
- 電波防護指針など
- 国内電波法
- 基礎知識
- 電磁誘導の原理
- 共振現象の紹介
- 高周波特有の損失
- 実際のコイルの作り方の紹介
- サーキュラーコイル・DDコイルなど
- 磁界共鳴 (磁界共振結合)
- 磁界共鳴
- 等価回路の導出
- 磁界共鳴の優位性の紹介
- オープン・ショート型コイル
- オープン型コイル
- ショート型コイル
- マルチバンドコイル
- kHz〜MHz〜GHz
- kHzコイル
- MHzコイル
- GHzコイル
- 電磁誘導と磁界共鳴の統一理論
- N-N, N-S, S-N, S-S
- S-S, S-P, P-S, P-P
- LCL-LCL (最新の回路トポロジー)
- S-LCL, P-LCL, LCL-S, LCL-P, LCL-LCL
- LCC
- 磁界共鳴のシステム
- 周波数追従制御
- DC/DCコンバータとHARによる最大効率追従制御
- 2次側のみによる最大効率かつ所望電力の同時実現
- EVへの走行中ワイヤレス充電
- 停車中給電の互換性問題
- 走行中充電の各種方式
- 走行中ワイヤレス給電の経済成立性
- 走行中ワイヤレス給電の大型トラックへの適用
- 大型車と乗用車が走行可能なシステム
- 複数コイル給電と電力脈動
- 道路への埋め込み試験と耐久性
- 4年間のアスファルト埋設実験の詳細
- 東京理科大学キャンパス内埋設
- 大型実車トラックによる10万輪走行の影響 (国交省PJ)
- コンクリート道路へのコイル埋設
- WPTシステムの全容
- コイル選定、回路選定
- センサレスでの高速動作中の車の検出方法
- 高速走行時におけるWPTの制御方法
- S-S v.s. Double-LCCのメリットデメリット
- DWPTにおける最大効率追従制御
- 車の速度推定を用いたDWPT制御
- 車体速度推定を用いたスイッチング
- N-legインバータによる素子低減
- DWPTコイルによる自動走行
- 走行中ワイヤレス給電と再生可能エネルギーとの融合
- DWPT×PV (太陽光発電) の未来像
- DWPT×PVの研究開発
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