においセンサの開発動向と高感度化、応用事例

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本セミナーでは、においセンサについて基礎から解説し、においセンサのコスト・感度・再現性・耐久性、正しくセンシングするための影響因子等について詳解いたします。

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プログラム

第1部 嗅覚センサの歴史と現状、およびMSS嗅覚センサの研究開発と最新状況

(2024年5月8日 10:30〜12:00)

 本講座では、実用的な嗅覚センサシステムの実現に向けて、まず1982年から続く世界各国でのさまざまな研究開発の歴史を振り返り、何がどこまで研究され、何が課題になっているのかをまとめます。これを踏まえた上で、嗅覚センサに必要とされる要素を網羅した膜型表面応力センサ (Membrane-type Surface stress Sensor, MSS) を軸に、機械学習による高度化も含めた総合的な研究開発について紹介します。また、産学官連携や最新の現場実証実験などについてもご紹介します。

  1. はじめに
    1. ニオイと嗅覚
    2. 嗅覚センサの歴史と現状
    3. 嗅覚センサの技術課題
  2. MSSとシステム要素技術の研究開発
    1. MSSの動作原理
    2. 感応膜の設計と開発
    3. MSSの応用例
  3. 機械学習との融合
    1. ニオイに含まれる特定指標の高精度定量予測
    2. 擬原臭によるニオイの分解・合成・可視化
    3. 伝達関数比法によるフリーハンド測定
  4. 産学官連携
    1. MSSアライアンスについて
    2. MSSフォーラムについて
    3. MSSパートナーシップほか
  5. まとめ
    1. 嗅覚センサの現場実証
    2. その他の最新情報

第2部 ガスセンサ・ニオイセンサに向けた酸化スズナノマテリアルの開発

(2024年5月8日 12:50〜14:20)

 様々な分野で、低濃度のガスやニオイのセンシングに対するニーズが高まっています。一方、セラミックス分野では、SDGsへの取り組みとして、高温焼成を用いないセラミックス合成が求められています。  本講座では、低濃度のガスやニオイのセンシングに興味のある若手社員 (文系・理系とも) や、各種用途に向けて、セラミックスのナノ構造膜やコーティング、粒子の液相合成に興味のある若手社員を対象として、半導体式ガスセンサの概要説明から、二酸化チタンや酸化亜鉛等のセラミックス微細構造膜の液相合成の例、ガスセンサ・ニオイセンサに向けた酸化スズナノマテリアルの開発について紹介します。酸化スズナノマテリアルや二酸化チタン、酸化亜鉛等のセラミックス微細構造膜は、高温焼成を用いずに、水溶液中での結晶成長を用いて合成しています。そのため、セラミックス基板に加えて、低耐熱性のポリマーフィルムや、カーボンナノチューブ、繊維、紙、金属等の表面にもコーティングすることができます。基材形状への制限も少なく、板状の基材に加えて、表面に凹凸のある複雑な基材の表面にも、均一にコーティングすることができます。  当日は、酸化ニッケル、酸化タングステン等のセラミックスナノ材料の合成についても紹介します。これらの材料も液相プロセスにより合成されており、種々の応用先へと展開できる可能性を有しています。また、ガスやニオイのセンシングを試してみたい方に向けた、貸し出し型ガスセンサについても紹介します。

  1. ガスセンサ・ニオイセンサに向けた酸化スズナノマテリアルの開発
    1. 自然界でのセラミックス (金属酸化物) の微細構造体形成の紹介
    2. 酸化スズの液相合成・結晶化
    3. 半導体式ガスセンサの概要
    4. ガスセンサ・ニオイセンサに向けた酸化スズナノマテリアルの開発
    5. 酸化スズナノマテリアルを用いたガスセンサの特性 (低濃度アセトン検知等)
    6. その他の応用への展開
      • 液中分子センサ
      • 表面の親水性・疎水性制御
      • 反射防止膜
  2. セラミックス微細構造膜、薄膜パターン、微粒子、粒子集積体の液相合成
    1. 酸化ニッケルの液相合成とガスセンサへの応用
    2. 酸化タングステンの液相合成とガスセンサへの応用
    3. 二酸化チタンの液相合成と光触媒等への応用
    4. 酸化亜鉛の液相合成と液中分子センサ等への応用
    5. セラミックス薄膜の液相合成と、自己組織化単分子膜による表面修飾を用いたパターニング
    6. 粒子集積体 (コロイド結晶) の液相合成と、自己組織化単分子膜による表面修飾を用いたパターニング

第3部 半導体CMOS技術を基盤にした においセンサの研究開発

(2024年5月8日 14:30〜16:00)

 CMOSセンサの特徴を活かしたにおいセンサでは、広範な情報を捉えるために機械学習を前提とした新しい計測アプローチを取っており、これらの技術について概説する。

  1. 半導体デバイスの特徴
  2. 高度に洗練されたCMOSイメージセンサ技術
    1. センサの構造
    2. センサの動作原理
  3. CMOSイメージセンサ技術を基盤にした様々なセンシングの実現
  4. CMOSセンサによるにおいセンシングの可能性
    1. センサの構造と動作原理
    2. ガスに対するセンサ応答の実例
  5. 複雑で広範な情報を捉える新しい計測概念 〜ブロードセンシング〜
    1. センサの選択性
    2. ブロードセンシングの概念に繋がる身近なセンサとは?
  6. 機械学習型センシングとは
  7. CMOSにおいセンサと機械学習による におい判別
    1. におい計測の実例
    2. 機械学習によるデータ解析結果
  8. 多様なにおいのセンシング実現に向けて
    1. 様々な尺度で情報を捉えるマルチモーダルCMOSセンサ
    2. 機械学習の効果を高める素子
  9. においセンサの活用が期待される分野
    1. CMOSセンサの長所が活かせるのはどの分野か
  10. CMOSにおいセンサ開発の課題と展望

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