本セミナーでは、統計的機械学習理論を学ぶ上で重要となるトピックを網羅的に解説し、理論の基礎から全体像、そして、応用に対する考え方に至るまでを習得できるようにします。
本セミナーでは、確率的グラフィカルモデルと呼ばれる統計的機械学習モデルをテーマとして扱います。確率的グラフィカルモデルの利点は、なんと言っても、これ1つで多くのデータサイエンスができるようになるという点です。データサイエンスの技術が学術界に留まらず、広く社会に大きな影響を与え始めています。データサイエンスの中の主要な柱はデータマニング技術 (つまり、データ分析技術) と、AI技術の2つであり、これらの技術はこれからも社会変革をもたらしていくと予想されます。しかしながら、特にAI技術にはまだ大きな問題が残されています。それはシステムの説明性の低さです。出来上がったAIシステムの中身を人が説明できないのです。人の設計思想がシステム構築に入り辛いというのが原因の1つです。残念ながらこの問題はそう簡単には解決しそうもありません。 よりエンジニアリングに近い位置での (つまり、設計思想が色濃く反映されている方法での) 問題解決法があれば理想です。その意味では伝統的なエンジニアリングは素晴らしいものです。人の設計思想を基礎として、そこにデータサイエンスの流儀をプラスアルファで取り込めれば、今のディープラーニングとは一風異なる方向性での未来が可能となるでしょう。本セミナーで扱うテーマは、そのような新たな方向性の実現に役立つポテンシャルをもった理論なのです。ただ残念なことに、学術業界以外では、確率的グラフィカルモデルに対する認知はまだほとんど広がっていません。 本セミナーでは、初学者にも分かりやすいよう、統計的機械学習理論を学ぶ上で重要となるトピックは網羅的に解説し、理論の基礎から全体像、そして、応用に対する考え方に至るまでを習得できるようにします。また、初学者だけに限らず、統計的機械学習理論を多少聞きかじったけれども、しっかりと基礎部分を把握しておきたいという方にもピッタリな内容となっています。内容の性質上、数式が多数出現しますが、必要に応じて補足をしていくので特殊な専門知識は必要ありません。大学初年度レベルの微積分、線形代数、確率統計の知識があるとより楽しめると思います。