電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法 (全量買取法) で懸案であった調達価格と調達期間が発電事業者のほぼ希望通り決定される見込みとなり、日本国内において全量買取制度に基づく太陽光発電事業及び風力発電事業の準備が活発化してきている。 実際に7月の法律の施行を先取りして、メガソーラー案件や風力発電案件の契約書作成が始まっている。具体的にプロジェクトを遂行するためには、土地賃貸借契約、売電契約、建設契約 (EPC) 、運営契約 (O&M) 、パネルや風車の調達契約と性能保証、保険契約、プロジェクトファイナンスの融資契約・担保契約などさまざまな契約書を作成・交渉しプロジェクトを組成していく必要がある。また、事業を行う上では税法の観点も見逃すことはできない。小規模な案件では、不動産ファイナンスの考えを応用した匿名組合を利用するTK-GKストラクチャーなども検討する必要がある。太陽光発電の屋根貸しモデルなど新しい形態に対応した契約の作成も必要となる。 本講義では法律の概要を解説し、各契約作成の注意点を検討する。第6条の設備認定等に関する政省令案が公表された場合にはこれについても解説をする。売電契約の交渉ポイントについても説明する。さらに資金調達方法としてプロジェクト・ファイナンスを考える場合の視点も織り込んでいく。