アニオン交換膜 (AEM) 型水電解技術の展望と材料設計

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プログラム

第1部 AEM型水電解技術の基礎と装置の開発動向

(2024年4月16日 10:30〜12:00)

 製造過程において温室効果ガスの排出を伴わないいわゆる「グリーン水素」の導入拡大が世界的な課題となっている。  グリーン水素の現実的製造方法は「水電解」であると考えられ、その場合利用する電力価格に加えて水電解装置の性能とコストがグリーン水素の価格決定の大きな因子になることは明らかである。よって世界各国で低コスト・高性能水電解技術の開発が精力的に行われているところである。  アニオン交換膜 (AEM) 水電解は比較的最近開発が始まった技術であるが、従来の水電解装置に比べても低コスト・高性能実現の大きなポテンシャルを有する。  本講座では、従来の水電解技術と比較する形でAEM水電解装置の原理、特徴から最新の開発動向までを紹介し、その可能性と限界を詳述する。

  1. 背景 〜カーボンニュートラルと水素〜
    1. グリーン水素を取り巻く最新状況
    2. グリーン水素需要見通し
    3. 国内外のグリーン水素製造・利用プロジェクト
  2. 水電解技術の基礎
    1. 水電解技術の背景と基礎
      1. 水電解の歴史
      2. 食塩電解 (ソーダ工業) 技術の歴史
    2. 各水電解技術の概要説明
      1. アルカリ水電解
      2. プロトン交換膜 (PEM) 水電解
      3. 固体酸化物水電解 (SOEC)
      4. アニオン交換膜 (AEM) 水電解
  3. 周辺技術の紹介
    1. アニオン交換膜燃料電池 (AEMFC)
  4. アニオン交換膜 (AEM) 水電解技術の詳細
    1. AEM水電解装置の原理と特徴
    2. AEM水電解装置開発の歴史
    3. AEM水電解技術の開発状況
      1. 電解質膜 (AEM)
      2. 電極触媒
      3. 電極構造
    4. AEM水電解システムと運転方法
      1. 電解液供給方法
      2. 加圧運転
      3. 耐久性
      4. AEM水電解システムのコスト試算
  5. エナプター社アニオン交換膜 (AEM) 水電解装置
    1. エナプター社の概要
    2. エナプター社AEM水電解装置装置の特徴
    3. エナプター社のビジネスモデルと将来計画

第2部 高ロバスト性アニオン交換膜材料の設計と合成

(2024年4月16日 13:00〜14:30)

 アニオン交換膜は、AEM型の水電解システムの重要な部材であり、その高ロバスト化は極めて重要な課題であります。  ここでは、アニオン交換膜材料の安定性の向上を目的として、特にアニオン交換膜材料を構成する有機高分子の繰返し単位に含まれるカチオン官能基の高耐久化を分子設計により推進するとともに、同構造をもつポリマーの設計・合成を行った結果を中心に解説を行います。

  1. はじめに
  2. AEM型水電解システム実現に向けたアニオン交換膜の現状と課題
  3. カチオン官能基の重要性およびその開発動向
  4. カチオン官能基構造最適化による耐アルカリ性能の向上
  5. カチオン官能基をもつポリマーの設計・合成
  6. アニオン交換膜の成膜技術および基本性能評価
  7. 今後の展望

第3部 水電解装置用電極触媒の開発動向とステンレス鋼の応用可能性

(2024年4月16日 14:40〜16:10)

 水電解法では、電極反応の活性化過電圧が全体の過電圧の大部分を占めることから、過電圧を低減するための高活性な触媒の開発が重要です。
また、再生可能エネルギー由来の変動電力を用いたグリーン水素製造環境では、剥離などによる触媒の劣化が進行しやすく、高い電気化学的・機械的安定性も求められます。  本講演では、アルカリ水電解・アニオン交換膜型水電解の強アルカリ環境で用いられる水電解触媒の開発動向や、講演者が近年進めているステンレス鋼の水電解用電極への応用研究、本分野の今後の展望について解説します。

  1. はじめに
    • 自己紹介、講演者の専門分野の紹介
  2. アルカリ環境用水電解用電極触媒の開発動向
    1. 水素発生触媒
    2. 酸素発生触媒
    3. 水電解触媒の劣化機構
  3. ステンレス鋼の水電解用電極への応用
    1. 表面処理による触媒層生成と高活性の起源
    2. 実用模擬環境におけるステンレス鋼電極の耐久性
    3. 触媒活性・耐食性に及ぼす鋼種の影響
    4. アニオン交換膜型水電解用アノードへの応用
  4. まとめと今後の展望

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