筆者は、1977年アクリル繊維の工場か初任配属でした。当時既に、アクリロニトリルの重合、ポリマー濾過・乾燥・溶解、紡糸、糸の後処理・梱包まですべて連続一貫生産プロセスが完成しておりました。連続プロセスは、決して新しいものではなく、年産1000トン以上の化学工場では常識的なプロセスです。
筆者はその後、医薬原薬の世界に転向し、バッチプロセスの世界に身を置き、バッチと連続の両生産プロセスの違いを身をもって体験してきました。
そこで、これから連続プロセスを導入しようとしている、バッチプロセスの技術者に対して、連続プロセス特有の問題点、工業化に際して解決せねばならない問題点、連続プロセスのメリット等を紹介していきたいと思います。
- 初めに
- 伝熱の基礎理論
- 連続生産プロセスの歴史
- バッチ・連続生産プロセスと単位操作概要
- バッチプロセスの生産性と連続生産プロセスイメージ
- 連続生産プロセスのシステム運用の問題
- 単位操作間の連結
- トラブルが起きたら
- スタートアップとシャットダウン
- プロセスのコントロール
- 連続プロセス操作各論
- 概論
- CSTR反応速度論
- CSTRのスタートアップ
- CSTRは、バッチ反応より収率が下がる
- 反応シミュレーション計算
- CSTR熱伝導
- PFR 概論
- PFR熱伝導
- PFRは初期の発熱が大きい
- どこまで温度が上がるのか、温度シミュレーション計算
- PFR市販の (マイクロ) リアクター
- Chemtrix, Corning, Kobelco reactor の比較
- PFR速度の遅い反応への対応
- NiTech社、Oscillatory Buffled Reactor
- Am Tech社 CofloreTM
- Eli Lilly の還元アミノ化
- 水添反応器 (Buss Reactor)
- 小林修博士のRolipram合成のスケールアップ考察
- その他
- 出操作
- 濃縮プロセス (溶媒交換)
- 連続再結晶概論
- 連続再結晶MSMPR
- マスバランスシミュレーション
- ヒートバランス
- 結晶化のメカニズムとMSMPRの応用 (多型コントロール等)
- 連続再結晶2 PFR
- スラリー濾過
- 連続乾燥プロセス
- 連続乾燥機の紹介
- 乾燥の熱、物質収支理論と連続真空乾燥機
- セミバッチ乾燥システムの提案
- 連続プロセス工業化問題点と解決方法
- 固体原料の取り扱い
- 析出固体のつまり
- 濃縮と濾過、セミバッチプロセスの意義
- 連続再結晶用結晶化原液の作成
- 連続プロセス企業化動向
- 連続プロセス独自のメリットを有するプロセス
- 連続プロセススケールアップの例 (セミバッチとの組み合わせ)
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