給電配線の無線化の要望が高まっている。無線給電により十分な電力をいつでも利用できれば、機器の機能や特性の制約をなくし、新たな仕組みによる社会の大きな変革も期待できる。光無線給電は、レーザ光源と太陽電池という確立技術を基礎に構成され、既存無線給電に比べて小型で長距離給電可能、電磁波ノイズがないという特徴を持つ。このため、体内インプラント機器、多数の小型IoT端末、情報機器・民生機器、および、ドローン・ロボット・EVなどの移動体などほとんどの機器が対象となる。さらに室内、室外のほかに、水中、宇宙など、適用範囲も広い。
本方式は、最近注目が高まり始めたが、研究開発の実績などはまだまだ不十分で、研究開発組織も少ない状況である。今後、急速に実用化を見据えた取り組みが増えると期待している。
本セミナーでは、光無線給電の優位性と課題、講師研究室の取り組みを中心に国内外における光無線給電システムの研究開発動向などを解説する。
- 無線通信と無線給電
- 通信は無線が標準に
- 無線通信の拡がり
- 無線の意義と問題点
- 給電の現状
- 残された有線:給電
- バッテリーは?
- エネルギーハーベスティングは?
- 無線給電の期待
- 無線給電技術
- 無線給電の種類と特徴
- 電磁誘導、磁界共鳴、電界方式
- マイクロ波方式
- 超音波方式
- 無線給電方式の課題
- 電磁波の人体作用と機器干渉
- 無線給電の構成の複雑さ
- 光無線給電の基礎
- 光で給電
- 太陽光発電・室内照明発電
- 太陽光とレーザ光の違い
- 太陽光と単色光の太陽電池照射
- 光ビームを用いる光無線給電
- 光ビームで無線給電
- 光無線給電は新技術か?
- 光無線給電のこれまで
- 光無線給電の原理と構成
- 光無線給電用太陽電池の特徴
- 太陽電池の動作の基本
- 太陽電池の効率
- 太陽電池の動向
- 光無線給電用光源の特徴
- 光源の出力と効率
- レーザ光の長距離伝送
- LEDは光無線給電に使えるか?
- 光無線給電の効率
- 給電効率の考え方
- 効率の現状と今後
- 光無線給電システムの構成要素
- 均一照射
- ビーム制御
- 対象検知、ほか
- 光無線給電システム
- 光無線給電の研究開発事例
- 体内埋込機器
- 小型IoT端末
- 情報端末・室内機器
- 地上用移動体
- 空中用移動体 (ドローンなど)
- 水中応用
- 宇宙応用
- 光無線給電の安全性
- 最大露光許容量とレーザクラス分け
- 安全性確保の方策
- 光ファイバを用いる光給電
- 光ファイバ給電の特徴
- 光ファイバ給電の事例
- まとめ
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