粘着強さはピール試験やタック試験で評価される。得られた値で粘着剤相互の比較はできるが、粘着性発現のメカニズムは明らかにできない。粘着性の発現には、被着体に濡れる易動性と剥離に抵抗する凝集力の相反する特性が必要である。これらの寄与の解明こそが重要である。粘着剤は典型的な粘弾性体であるので、弾性率は速度依存性を有し、これが粘着特性に大きく影響している。また、粘着剤は配合でなく、モルフォロジーからのアプローチも必要である。
本セミナーでは、タックの剥離挙動やピール試験の糸曳きのモルフォロジーのin situ観察、タッキファイヤのモルフォロジーのパルスNMRによる解析、AFMフォースカーブから粘着の本質を見極めるための手法を紹介し、得られた結果を活用した粘着剤の設計について解説する。
- 粘着とは?
- タッキファイヤによる粘着性発現
- なぜ粘着性が発現するのか?
- タッキファイヤはいかに機能するのか?
- タッキファイヤのモルフォロジーからの粘着剤の設計
- 力学特性からの粘着剤の設計
- ローリングタック試験
〜速度依存性が粘着性発現のキー
- ダルキスト基準の意味するもの
- タック試験からの粘着剤の設計
- タック試験の重要ポイント
- 瞬間でどれだけ濡れるかが重要
- プローブタック試験による濡れ性の評価
- プローブタック試験における剥離挙動の観察
- 剥離のモルフォロジーも重要
- タック試験からの粘着剤の設計
- ボールタック試験を摩擦係数からより定量的に
- 糸曳きからの粘着剤の設計
- 糸曳きの観察手法
- 糸曳きのモルフォロジーからここまで粘着剤が見える
- 糸曳きからの粘着剤の設計
- パルスNMRの粘着剤設計への活用
- 緩和スペクトルの活用 いかに粘着特性を高めるかを知る
- 差スペクトルの活用 タッキファイヤのモルフォロジーがわかる
- パルスNMRの本質〜最新の成果から
- AFMフォースカーブの粘着剤の設計への活用
- AFMフォースカーブの測定法
- AFMフォースカーブからの粘着性発現メカニズム
- AFMフォースカーブからの粘着剤の設計
- まとめ
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