リチウム (メタル) が、万能の負極材であることは言うまでもない。高性能正極材のコバルト系とハイ・ニッケル系を否定はしないが、今後のEV拡大の世界を想定すると、遷移元素 (レアメタル) のサプライ・チェーンは、EV用電池の最大のネックである。
資源的に全く制約の無い硫黄は、その極めて高い容量1,675Ah/Kgが背景にあるが、低い出力電圧が最大の欠点である。またこれまでの多くの研究が、電解液系で行われたが、電解液への硫黄中間体の溶出が障害となっている。
EVの航続距離Km (WLTC) は、600Kmが最低レベルであり、これは電池の比容量Wh/Kgのレベルに依存する。現行のNMC811三元系正極材と、炭素系負極材の電池は、300Wh/Kgがほぼ頭打ちである。一方でリチウム・硫黄電池では、500Wh/Kgのレベルも狙えるのではないか。
以上の様な制約をクリアする事は、実用レベルで達成することは容易ではないが、本Webinerで提案する、「究極のリチウム・硫黄電池 (Z) =双極子構造 (Y) ×固体電解質 (X) 」が一つの選択肢であろう。
固体電解質の技術と情報は、最近はかなりレベルアップして、実用セルへの適用も見え始めて来た。ここでは硫化物系と酸化物系を比較検討したい。
双極子 (バイポール) セルは、意外と知られていないが、単極子のN層タンデムで、出力電圧がN倍になるメリットが活かせる。液絡防止など、セル構造の制約が課題ではあるが、固体電解質との組合せでは、以外と簡単な構造が可能である。
かなり不確定要素はあるが、本Webinerでは、 (X) と (Y) を解説した上で、究極の (Z) を考えてみたい。
- リチウムイオン電池の構成と単極子vs.双極子
- 単極子セル
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- 液絡防止の構造
- 過去の開発事例
- 固体電解質の電気化学
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- 硫化物系電解質
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- 黄系正極材と特性
- リチウム硫黄電池の開発事例
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