使用感に影響を与える物理的・感情的な因子の把握とそのコントロール

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本セミナーでは、「感性価値の高い商品」を提供するためのコンセプト固めからパッケージ、店頭ディスプレイの演出まで、網羅的な知識とノウハウを提供いたします。
化粧品の事例を中心に詳解いたしますが、感性価値に大きく左右されるファッション関連や製品の開発、広告会社の方も対象としております。

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プログラム

2012年7月27日 「使用感に影響を与える物理的・感情的な因子の把握とそのコントロール」

第1部 化粧の脳科学的・認知的効果

(2012年7月27日 10:20〜11:35)

(株)カネボウ化粧品 価値創成研究所 感性工学グループ&先端技術研究グループ
猿渡 敬志 氏

 本報告では化粧の効果について脳科学・認知科学を用いて検討を行った。女性にとっての化粧の意味づけ、自己と他者の関係性の間における化粧の役割、化粧の印象と対人関係について報告する。  また、これらの研究成果の応用方法についても検討する。

  1. 企業が脳科学・認知科学を用いる必要性について
    • 消費者の変化について
    • デザイン思考について
    • 脳科学・認知科学を用いる意味
  2. 脳科学・認知科学を用いた化粧の効果について
    • 脳科学からみた化粧の効果
    • 認知科学からみた化粧の効果
  3. 脳科学・認知科学から得られた知見の活用について
    • 脳科学・認知科学から発想する
    • 今後の脳科学・認知科学の可能性について
第2部 継続使用を促すための使用感の解析と官能評価の戦略的活用

(2012年7月27日 11:45〜13:00)

(株)日本オリエンテーション 評価研究所 客員研究員
高橋 正二郎 氏

 化粧品の効果を得るためには使い続けることが大切で、使い続けていただくためにはお客さまに好まれる使用感であることが必要です。この三段論法は容易に理解できるものの、思い通りに実行することは意外と難しいのが現状です。  そのために、使用感のもつ価値を考え、使用感の特性を知り、客観的な記述法を準備した上で、お客さまの使用感の嗜好を把握し、商品に反映させ、更には情報展開して有効な訴求につなげる、一連の戦略的な展開を実行できる方策が必須です。今回はいくつかの実例もとに、継続使用につながる使用感の把握・反映・訴求の具体的展開を紹介します。

  1. 使い続けられる商品について
    • 買っていただける商品とは
    • 継続使用やリピートにむすびつく商品の特性
  2. 商品のもつ価値と継続使用について
    • 商品の価値構造と感性価値
    • 感性価値の構造と化粧品の中味特性
  3. 使用感にまつわる官能の特性について
    • 継続使用の考察に欠かせない感覚特性の知識
    • 触覚における「ブラシとカンバス」効果
  4. スキンケアの使用感の記述・解析の手法と応用
    • 「思いをことばに、ことばをかたちに」の実践
    • 使用感の「思い」を「かたちに」 (使用感の記述法:QDA)
    • QDAの創造的活用による使用感の価値開発
  5. 使用感の把握・反映・訴求の戦略的展開
    • 継続使用につながるお客さまの支持する使用感の把握
    • 継続使用を支える使用感の訴求
    • 既存商品や、できちゃった商品の情報再開発
第3部 香りにおける高級感とは

(2012年7月27日 13:50〜15:05)

ポーラ化成工業 (株) 横浜研究所 開発研究部 スキンケア開発室
佐藤 孝 氏

第4部 化粧品の使用感、有効性評価に個人差を発生させる要因の解析と対策

~心理生理学的手法による解析~

(2012年7月27日 15:15〜16:30)

花王 (株) ヒューマンヘルスケア研究センター 上席主任研究員 兼 筑波大学大学院グローバル学術院 教授
矢田 幸博 氏

 化粧品の開発において対象とするユーザーの肌質や年齢さらには、肌悩みの程度を把握することが重要であることは、言うまでもない。したがって、これらの要件に留意しながら、使用調査や有効性評価を進めていくことになるが、必ずしも開発品の使用感や効果感が期待したほど、得られず (個人差が大きく不明瞭な結果に陥るため) 、開発に苦慮するケースも多い。その要因として使用者 (試験協力者やユーザー) の肌質や年齢ばかりでなく、使用者の性格特性や身体機能さらには、生活環境も大きく影響することが示唆されている。即ち、使用者自身がどのような生理的、心理的な状況にあるかで化粧品の使用感さらには、効果感にも影響する可能性が思案される。  そこで、本講では、化粧品の使用感や効果感さらには、有効性評価にも影響する種々の要因を解析するための心理生理学的手法を紹介するともにこれまで個人差として見過ごしてきたバラツキへの効率的な対策についても言及する。

  1. はじめに
    • 最近の美容行動、美容神話について
    • 化粧品評価の現状と課題について
  2. 化粧品評価概論
    1. 評価・試験準備に関する留意点
      • 評価時期
      • 被験者選定
      • アンケート内容
      • 評価内容など
    2. 評価・試験実施に関する留意点
      • 評価法の決定
      • 評価手順
      • 被験者対応など
    3. 評価・試験終了後に関する留意点
      • 評価のまとめ方
      • 被験者フォロー
      • 次回の評価準備など
  3. 効率的で信頼の高い化粧品評価
    1. 被験者の選定に関する留意点
      • 本人特性
      • 化粧行動
      • 疲労・ストレス状態
      • 身体機能など
    2. 計測に関する留意点
      • 計測法の選定
      • 計測機器の設定
      • 計測技術の課題など
    3. 質問紙 (調査票) に関する留意点
      • 事前質問
      • 中間質問
      • 事後質問など
    4. 調査結果、計測結果のまとめ方に関する留意点
      • 統計処理
      • 特性によるデータ解析
      • 総合考察など
  4. まとめと今後
    • 講義内容の総括と今後の展開

会場

東京ビッグサイト
135-0063 東京都 江東区 有明3-11-1
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