2023年現在、世界各国は自動車の電動化 (xEV) 開発に向け大きく進展している。そして2030年代には日、米、欧、中がガソリン車の新車販売を禁止するなど、xEVは、もはや大きな潮流となった。xEVの性能を決める基幹部品であるパワーデバイスでは、新材料SiC/GaNデバイスの普及が大いに期待されている。しかしながら現状では、シリコンパワーデバイスがxEV用途の主役に君臨しており、今後しばらくはシリコンデバイスの時代が続くともいわれている。これはとりもなおさず、SiC/GaNデバイスに代表される次世代パワーデバイスの性能、信頼性、さらには価格が市場の要求に十分応えられていないことによる。
最強の競合相手であるシリコンパワーデバイスからSiC/GaNをはじめとした新材料パワーデバイス開発技術の現状と今後の動向について、半導体素子や実装技術、さらには市場予測を含め、わかりやすく、かつ丁寧に解説する。
- パワーエレクトロニクス、パワーデバイスとは何?
- パワーエレクトロニクス&パワーデバイスの仕事
- パワーデバイスの種類と基本構造
- パワーデバイスの適用分野
- 次世代パワーデバイス開発の位置づけ
- 最新シリコンIGBTの進展
- 中国製格安EVにはシリコンMOSFETが搭載されていた
- 最新シリコンMOSFET・IGBTを支える技術
- シリコンデバイス特性改善の次の一手
- 逆導通IGBT (RC-IGBT) の誕生
- シリコンIGBTの実装技術
- SiCパワーデバイスの現状と課題
- なぜSiCが新材料パワーデバイスのなかでトップを走っているのか
- 各社はSiC-MOSFETを開発中。最大の課題はコスト高にある
- SiCウェハができるまで
- SiC-MOSFETの低オン抵抗化がコストダウンにつながる理由
- SiC-MOSFET内蔵ダイオードの順方向電圧劣化とその解決策
- 最新SiC MOSFETデバイス
- GaNパワーデバイスの現状と課題
- なぜGaNパワーデバイスなのか?
- GaNパワーデバイスはHEMT構造。その特徴は?
- ノーマリ-オフ・ノーマリーオン特性とはなに?
- GaN-HEMTの課題
- 縦型GaNデバイスの最新動向
- 酸化ガリウム・ダイヤモンドパワーデバイスの現状
- 酸化ガリウムとその特徴
- 酸化ガリウムパワーデバイス最新開発状況
- ダイヤモンドパワーデバイス開発状況
- SiCパワーデバイス高温対応実装技術
- 高温動作ができると何がいいのか
- SiC-MOSFETモジュール用パッケージ
- SiC-MOSFETモジュールに必要な実装技術
- まとめ
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