2023年1月18日にICH本部からICH Q9 (Revision-1) Step5が出されました。この内容は元のICH Q9 (Quality Risk Management System) の内容を受けて改訂されたものですが、何故今回の改定がなされたかをICH本部は概略以下のように説明しています。
「今回の改訂版は、QRMの十分な理解が関連業界に不足している事が、査察実績から読み取れることと、近年の急速な電子化促進やDX化の進展及びEmerging Technology (振興技術) を含むICH Q13 (自動生産) の促進を図る必然性が高まって来たためであります。
さらに所謂Bioscience及びBiotechnologyの急速な発展に基づく生物製剤研究の高度化及び深化により、従来不可能だった遺伝子解析及び生化学の基礎研究において従来不可能だった事が可能になった事があります。
しかし、そこで大きな課題 (大きな障壁) が、高分子の解析や遺伝子操作に伴う膨大なデータの管理とその処理において急速にデータ管理のリスクが高まってきており、またその解析技術が求められてきております。」
上記のような深刻な業界実態を踏まえて、本講では、これらのリスク管理から出発した諸々の課題と関連するICHのガイドラインで求める深い意義と本質的な課題の処理方法に対するヒントを提示します。
- ICH Q9とICH Q9 (R1) の違いと、その改訂版の必然性と意義
- ICH Q9 (R1) と、ICH Q10, Q11, Q12, Q13, Q14の関係
- そもそも品質リスクマネジメントが及ぼす他のガイドラインにおける必然的に求められる中核となる要素は何か
- ICH Q9 (R1) ガイドラインとISO-13000の関係
- 医薬品の品質リスク管理に求められる本質的な諸要素と他の産業との明確な差異とその深い意義の背景
- FDAが求めている21世紀のGMPにおける「リスクベース」と「科学ベース」の二大要素が何故必須と提言し出したか
- PICS GMPにおけるリスク管理とICH Q9 (R1) の共通する必須項目とは何か
- FDAがこの数年提示し出したQuality Culture (品質文化) は何故必要になっているのか、またQRMとの関係は何か
- Risk ManagementとRisk Governanceの違い
- 英単語、Risk, Hazard, Harmなど関連用語の意味の違いと、20世紀の医薬品品質管理方式ではカバーしきれない21世紀の医薬品製造管理に求められる新たな課題とその対処法
- 国内の医薬品業界における組織運営における品質マネジメントの課題
- 日本の医薬品業界の光と影から推察する明るい未来展望
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