本セミナーでは、新規事業テーマの発掘について取り上げ、確度の高い新規事業テーマの探索から事業化まで、コア技術を横展開するためのアイデア発想、組織体制と仕組み作りについて詳解いたします。
〜用途開発型イノベーションとは〜
(2024年3月7日 10:00〜11:30)
イノベーションとは、経済活動において旧方式から飛躍して新方式を導入することであり、日本語では当初技術革新と訳されましたが、イノベーションは技術の分野に限られることはありません。経済産業省が「日本の強みを生かした元気の出るイノベーションエコシステム構築に向けて」と題して、経済動向、資源、人口構成、科学技術などの「社会動向」、生活基盤や人々の暮らしなどの「生活の動向」、競争環境、市場・技術、組織などの「産業の動向」の視点から世の中の動向を概観しています。それによると、日本を取り巻く現状は、地球規模の課題としての「環境制約の重大性増加、資源・エネルギーの枯渇化、少子高齢化の進展」、企業をめぐる現状としての「商品ライフサイクルの短期化、既存事業の呪縛」、経済構造をめぐる現状としての「国内市場規模の減少、グローバル巨大企業の苦戦」、社会環境の変化としての「基礎学力の低下、再チャレンジの困難性、生産人口減少」などが挙げられています。一方、日本の強みと弱みという観点で日本の現状を眺めてみると、研究者の定着性が高いため連続的な技術シーズの蓄積が厚いが、組織や専門の枠を超えた知識や人が融合・結合し生まれる非連続なイノベーションを起こす力が低いといわれます。 以上のような日本についての外部環境と内部環境を勘案すると、今の日本においては、現在までに蓄積されている技術シーズを有効活用できる新たな市場ニーズを発見する用途開発型イノベーションを進めることで持続的発展を図るのが一つの道ではないかと考えます。自分の業界で駆使している顧客層、ビジネスモデル、基盤技術、共通システム、生産方法などを、それらの経験のない他の業界に適用した場合に、画期的な効果が出るかどうかを見極めることで、イノベーションの可能性を探ることができます。たとえば、自分の業界独自のSカーブを成立させている要素を持ち込むことで、そこでのSカーブを劇的に破壊・変更できる業界はどこにあるかと、攻めの対象業界を探し出すことでもよいでしょう。これは、自分の技術を他の業界に適用するという、いわば用途開発型イノベーションといえるものでしょう。
(2024年3月7日 12:15〜13:45)
ムラテックは開発力強化を目的に2004年にR&D部門を発足しました。以前は事業部制が強い会社であり、後付け組織であるR&Dの存在意義が問われ続けました。我々は大きな成功と大きな失敗を経験しMOT (技術経営) を導入することで横断的開発体制を構築してきました。横断的開発体制の実現には (1)ロードマップを核にした開発戦略 (2)コアを明確にしたプラットフォーム技術 (3)ステージゲートを活用した最適マネジメントが調和的に機能することが肝心です。 今回は自身の経験も踏まえ、全社開発マネジメント実現の為の組織体制、仕組み作りをご説明し「技術の横展開による新規テーマの発掘と実践」をご紹介します。最後に、シナリオプランを用いて出口論を議論し、それをロードマップに展開する手法もご紹介します。
(2024年3月7日 14:00〜15:30)
本講演では、自社が有するコア技術を活用し、新たな事業チャンスを探り出す具体的な事例を紹介します。最初に、コア技術を枠組みからとらえ、その定義とその価値を明確にします。次に、コア技術を既存のビジネス領域から切り離し、それを他の分野や市場に応用する「横展開」の方針について解説します。横展開を成功させるためのポイントや注意点にも触れ、発掘した新規事業テーマに技術を活用する方法を、具体的かつ実践的な視点から提案します。さらにノンコア技術についても、どう考え、どう扱うべきかについても議論します。
(2024年3月7日 15:45〜17:15)
先進国市場の成熟化に伴い、更なる企業成長のために新規事業創出の必要性が高まっています。新規事業を創出するアプローチは複数挙げられますが、既存事業の中でコア技術を培ってきた日本のメーカーにとって、コア技術の横展開による新規事業の創出は定石的なアプローチです。 本講演では、自社が保有するコア技術の横展開によって新事業を企画するための基本的な考え方と具体的な進め方をご紹介します。経営コンサルティングの中で実適用してきたフレームワークや支援事例なども交えて実践に基づく内容を解説します。
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