薄膜作製プロセスの基礎と基板への付着・密着性評価、剥離対策

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本セミナーでは、真空蒸着法、スパッタ法、CVD法などの薄膜生成プロセスについて基礎から解説し、実務に役立つ付着・密着性評価、剥離対策について詳解いたします。

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プログラム

第1部 薄膜作製入門

〜真空蒸着法、スパッタ法、CVD法の基礎〜

(2024年2月22日 10:00〜12:00)

 薄膜作製技術は、先端エレクトロニクスをはじめ、建材、食品などさまざまな工業分野における基幹技術となっています。薄膜技術を使いこなすためには、その基本知識をしっかり身につけることが必須です。  本講座では、薄膜技術に携わる初級から中級の技術者の方々を対象に、薄膜技術に関する基礎的かつ系統的な知識を習得し、実際の業務に生かして頂くことを目標とします。

  1. 薄膜技術のための基礎知識
    1. 真空工学および表面物性工学の基礎
    2. プラズマ工学の基礎
    3. 薄膜の基礎
  2. 真空蒸着法
    1. 真空蒸着法の原理
    2. 真空蒸着法の種類
    3. 真空蒸着法の留意事項
  3. スパッタ法
    1. スパッタ法の原理
    2. スパッタ法の種類
    3. スパッタ法の留意事項
  4. 化学気相成長 (CVD) 法
    1. 化学気相成長法の原理
    2. 化学気相成長法の種類
    3. 化学気相成長法の留意事項

第2部 コーティング膜、材料の基板への付着・密着性評価と剥離対策

〜金属・無機・高分子薄膜の最適化と高品位化〜

(2024年2月22日 13:00〜16:30)

 多くの機能的な製品が開発される中で、その構造安定性は耐久信頼性や安全性の面で最優先の技術課題です。その中でも、付着剥離性の安定性は重要課題の一つです。付着剥離性の問題は、製品開発の過程や長期実用化の段階で必ず浮上してきます。  一般的に、付着現象メカニズムは、付着促進要因 (相互作用、表面エネルギー、アンカー効果など) と剥離促進要因 (応力、歪み、熱膨張など) とのバランスの結果で説明できます。多くの事例において、多くの剥離要因が同時に作用して、原因解明と解決策を複雑にしています。特に、破断 (剥離) 面観察、要因特定、対策を効果的に実施することが必要です。  本セミナーでは、コーティング膜や材料の付着、密着現象から始まり、実際の付着力測定から解決に至る過程を解説します。金属、無機膜、有機膜などの幅広い材料を対象として、コーティング膜、フィルム、極薄膜、積層膜、微粒子等の付着剥離事例を紹介しています。多くの付着トラブル事例に基づいて、具体的な解決へのアプローチを習得していただけます。また、付着剥離試験法について、幅広く学んでいただけます。また、受講者の方々が抱える日頃のトラブルや技術開発に関するご相談にも個別に対応します。

  1. 薄膜・材料の剥離現象
    1. 接着剥離
      • 界面
      • 凝集
      • 混合破壊
    2. 膨れ、しわ、クラック、ポップアップ
    3. 白化
      • 環境応力亀裂
      • ソルベントクラック
    4. 膜浸透・軟化・膨潤 (ナノチャネル浸透)
    5. はじき・ピンホール、粘性指状変形 (VF変形)
    6. 微細構造破壊 (ラプラス力破壊)
    7. 自己組織化分裂 (極薄膜欠陥)
    8. 微粒子凝集と分散 (ペースト材料)
    9. アンダーカット (ウェットエッチング)
    10. エキソ放出現象 (電子・光・音波放出)
  2. 付着剥離を支配する要因
    1. 分子間相互作用力 (L-Jポテンシャル)
    2. 表面間相互作用力
      • 平面-平面間
      • 平面-球間
      • 球-球間
    3. 表面エネルギーγと付着仕事Wa (ドライ中の付着性)
    4. 界面浸透エネルギーS (ウェット中の付着性)
    5. 凝集力、合金層、相互拡散層 (破壊起点)
    6. 応力集中とマッチング (熱膨張係数)
    7. WBL (表面弱結合層)
    8. 表面粗さ (アンカー効果)
    9. 実効付着面積 (狭ギャップ乾燥)
  3. 付着剥離試験法の原理と実際
    1. クロスカット法
      • 剥離モード
      • 接着テープ
    2. 剥離試験1
      • 90度
      • 180度
      • T字剥離
      • ジッピング
    3. 剥離試験2
      • 温水
      • 熱水
    4. スクラッチング試験
      • 一定荷重
      • 連続荷重
    5. シェア破壊試験 (シェア角度依存性)
    6. 超音波剥離試験 (亀裂進展)
    7. SAICUS法 (斜め剪断剥離)
    8. 摩擦・摩耗試験
      • ピン
      • 球体
    9. 疲労破壊試験 (繰り返し破壊)
    10. インデント試験
      • 弾性率
      • stiffness
    11. 応力測定 (歪み検出法)
    12. 偏光解析 (膜応力分布解析)
    13. インピーダンス解析
      • 界面破壊
      • 溶液浸透
    14. 接触角法 (表面エネルギーの分散極性成分測定)
    15. AFM直接剥離法
      • DPAT法
      • 微細構造剥離
    16. ピンホールチェッカー
      • コロナ放電
      • アーク放電
    17. 剥離シミュレーション
      • 剥離
      • 応力集中
      • 構造破壊
  4. 付着力改善プロセス技術
    1. ハードベーク (熱硬化性樹脂)
    2. 応力緩和
      • 弾性率
      • 形状
      • 膜厚
    3. UV処理 (極性基付与)
    4. シランカップリング処理 (疎水基付与)
    5. 界面活性剤 (低表面張力)
    6. ブラスト処理 (研磨剤放射)
    7. プラズマ処理 (親水基形成)
    8. コロナ放電処理 (親水基形成)
  5. 参考資料
    • 塗膜トラブルQ&A事例集 (トラブルの最短解決ノウハウ)
    • 表面エネルギーによる濡れ・付着性解析法 (測定方法)

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