第1部 デジタルツインによる機器の余寿命予測
(2024年2月9日 10:30〜12:00,13:00〜14:00)
IoTやIndustry4.0が注目を集めるようになり、改めて機械の故障診断が大きくクローズアップされるようになった。対象の機械にセンサーを取付け、収集したデータを処理することにより機械の状態、できればその機械の余寿命を推定することができると、効率的で安全なシステムの運用が可能となる。また、コンピュータシミュレーション技術の進展により、実際の機械とコンピュータの中に再現したモデルとを双子(ツイン)のように同期して用い、実際の機械の状態を把握し、モデルのシミュレーションに基づいて最適に制御するデジタルツイン技術が注目されるようになってきた。
本講演では、機械の状態を把握するセンシング技術から診断に至る一連のプロセス、1DCAEならびにデジタルツインの診断への適用について概説する。
- 海外の動向
- 1Dモデリング (1D CAE) の概略
- 1D CAEとModelica言語
- 1D CAEの意義、目的
- デジタルツイン概説
- いろいろな適用事例 (設備診断)
- 状態監視から診断の流れ
- 評価診断における物理モデルの利用
- トラブル・リスク回避の手法
- Modelicaによるモデル化の事例 (回転軸系のモデル)
- いろいろな適用事例 (モデルを用いた損傷予測)
- 設備管理
- 余寿命予測
- その他 (故障モデル化の例)
- コンプレッサー
- クランクシャフト
- スクリューコンプレッサー
- ジャーナル軸受
- 電磁ブレーキ
- デジタルツインへの展開
- デジタルツインの適用
- デジタルツイン適用上の課題/制御への適用
- まとめ
第2部 機械学習による回転機械の異常検知と余寿命予測
(2024年2月9日 14:15〜16:45)
本講演ではまず機械学習による代表的な異常検知法を平易に解説し、個々の異常検知法の特徴を説明する。そして振動データを対象とした転がり軸受の微小欠陥検出、ならびに欠陥進展下における余寿命予測に関する講演者の共同研究事例を紹介する。微小欠陥検出においては欠陥サイズに応じた自動的な特徴選択を伴う異常検知法、また余寿命予測においては軸受の個体差、余寿命の不確実性、振動特徴の変動に対処するための階層ベイス回帰とCNNを組み合わせた余寿命予測法を紹介する。併せて、軸受の欠陥検出に関連するPythonコードの解説も行う。
- 機械学習による異常検知
- 異常検知の基本的な考え方
- 性能評価の方法
- ホテリング理論による異常検知
- 主要な異常検知法
- One-class Support Vector Machine
- Local Outlier Factor
- Isolation Forest
- ディープラーニングによる異常検知
- 各種異常検知法の比較
- 回転機器における異常検知
- 特徴選択を伴う軸受の微小欠陥検出 (事例紹介)
- 関連Pythonコード解説
- 回転機器の余寿命予測
- 階層ベイズとCNNによる軸受の余寿命予測 (事例紹介)
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