早期開発プロジェクトの事業性評価とGo/No Go判断

再開催を依頼する / 関連するセミナー・出版物を探す
オンライン 開催

本セミナーでは、アカデミア、スタートアップ発の新規モダリティの評価、意思決定、プロジェクト中止判断に伴う、意思決定のフレームワーク、社内調整、根回しの工夫や成功・失敗事例について詳解いたします。

日時

開催予定

プログラム

第1部 創薬モダリティの医薬ライセンスにおける意思決定のスピードアップ

(2024年2月6日 10:00〜11:30)

 医薬ライセンス、とりわけ創薬基盤技術に関するオープンイノベーションでの競合が激しくなるにつれて、ライセンス意思決定のスピードアップが強く求められています。  そのためにはまず、プロジェクト選定のスピードアップが必要であり、情報収集や創薬基盤技術/開発初期化合物の評価の効率化が求められています。また、対象となるプロジェクトの大半が公的研究機関によって研究開発されていることから、公的研究機関における創薬研究の位置づけや課題を理解してオープンイノベーションを効率的に運営することも重要になっています。そのために、製薬企業にはプロジェクト毎の製品戦略だけでなく、中長期の事業戦略に基づいた先行投資型のライセンス戦略が求められていると思います。  そこでここでは、創薬モダリティを中心に新しい情報収集方法や評価方法を概観し、公的研究機関の創薬研究の課題と製薬企業に求められるライセンス戦略について考察したいと思います。

  1. 情報収集方法や評価方法のトレンド
    1. 最近の情報集方法と課題
      • オムニチャンネル
      • バイアスの除去
      • 求められる予測力
    2. 収益性評価の課題
      • 一般的な収益性評価の課題
      • バスター化への対応
    3. オープンイノベーションの課題
      • 安易なスピードアップの問題点
      • 契約書における対策
  2. 公的研究機関の創薬研究の課題
    1. 公的研究機関の研究目的
      • 世界的研究競争
      • 教育機関としての役割
      • 求められる社会的還元
    2. 創薬研究スピードアップの限界
      • 研究スピード優先
      • 再現性に対する考え方
    3. オープンイノベーションに対する期待
      • 研究リソース不足の解消
      • 研究の独立性と共同研究
  3. 製薬企業に求められている課題
    1. 公的研究機関の創薬研究姿勢への理解
      • 創薬ポリシーの違いの克服
      • 創薬研究としての不備の解消
    2. 事業戦略によるスピードアップ
      • 製品戦略の限界 – マイナスになる収益性評価 -
      • 事業戦略による解決

第2部 RWDを用いた市場予測とデータドリブンな意思決定への応用

(2024年2月6日 12:15〜13:45)

 R&D早期段階にあるプロジェクトにとって、適応症の選択および優先順位付けはプロジェクトの価値最大化に重要なステップであるとともに、これまで経験したことのない疾患や市場について、早期の段階からビジネス評価を行うことが必要となる。しかしながら、疾患を定義し、患者集団の規模や治療実態を理解する際に、必ずしも開発を検討している疾患について十分な情報が入手できない場合がある。  本セミナーでは、市場規模や売上予測の概念、実施方法を解説すると共に、これらの課題に対する重要な解決策の一つとして、リアルワールドデータ (RWD) を取り上げ、おもに、米国のHealthcare Data (Claims、Electronic Medical Record) を例に、その概要とR&D早期段階における活用を解説する。  本セミナーを通じて、売上予測や事業性評価においてRWDがどのように活用され、プロジェクトチームや上位者の意思決定に活用されているのかを学ぶこと、現在の課題解決の一助となることを期待している。

  1. 中外製薬 株式会社 とは?
  2. 売上予測の概念
    • 売上予測の4つの目的とタイミング
    • 売上予測を行うための典型的なモデル
    • 有病率と罹病率の考え方
  3. 開発早期段階における市場規模/売上予測
    • 研究開発ステージと売上予測の粒度
    • 疫学モデルの構成要素と調査項目
    • 患者数とコンプライアンスの関係
  4. 判らない市場を理解するためのアプローチ: RWDの特徴と活用事例
    • 患者集団の分析:
      • 患者集団の特徴を把握し、市場のポテンシャルから需要の予測
    • 医療行為の分析:
      • 現在の医療行為や治療パターンを分析し、医薬品の市場でのポジショニングや
      • 競合他社との差別化ポイントの把握
    • データドリブンな意思決定の実践:
      • RWDを用いた分析結果をもとに、具体的な開発戦略のインサイトの作成
    • RWDの限界

第3部 Go/No Go判断のための事業性評価

(2024年2月6日 14:00〜15:30)

 近年、これまで治療が困難であった希少疾患や症状に対して、また創薬ターゲットへの新たなアプローチとして、核酸医薬、遺伝子治療、細胞治療などの新規モダリティによる医薬品が数多く開発されるようになってきた。新規モダリティのオリジネーターはアカデミアやスタートアップ企業も多く、新規参入、導入、M&Aを模索する製薬企業側としても、これまで経験したことのない疾患や市場について、より早期の研究開発ステージからビジネス評価を行う必要に迫られている。  本セミナーでは、事業性評価の概念、実施方法を解説すると共に、これまで経験したことのない市場、治療薬のない市場やモダリティなどの不確実性の高い新規医薬品の評価に対するアプローチや重要なポイントについて、事例を交えて解説する。

  1. 市場規模/売上予測が難しくなっている理由
    • 治療モダリティ (治療手段) の変遷
    • 希少疾患ビジネスへの期待と不安
    • 新規モダリティのビジネス評価のタイミング
    • 不確実性の高い評価で悩まされる認知バイアス
    • 戦略的マネジメントとオペレーションマネジメントの関係
  2. 開発段階における事業性評価とその概念
    • 事業性評価のゴール、4つの目的とタイミング
    • 事業リスクと4つの事業性評価の実施方法
    • 事業性評価を理解する上での重要な指標
    • 正味現在価値 (NPV) と不確実性を考慮した正味現在価値 (eNPV)
    • 意思決定の質を高めるために重要な6つの要素
  3. 不確実性の高い開発早期段階での事業性評価ポイント
    • 不確実性要素 (シナリオ、幅) の留意点と推計方法
    • TPP作成のタイミングと3つのポイント
    • 事例から見えてくるTPPの重要性
    • 判らない市場を理解するためのアプローチ
    • 新たな治療で市場はどう変わるか
  4. 製品チームや経営から信頼の得られる事業性評価を目指して
    • 中外製薬での事業性評価実施の流れと、確認ポイント
    • 事業性評価がネガティブとなった場合の対処方法
    • 事業性評価の役割と目指すところ
    • 市場調査と事業性評価の関係

第4部 プロジェクトの中止判断に伴う社内調整と担当者説得のコツ

(2024年2月6日 15:45〜17:15)

 演者が2023年までに100以上の医薬R&Dプロジェクトについて事業化戦略策定、薬価/事業価値評価を実行分担した経験ノウハウをセミナーに反映して講演します。加えて、ライセンスでWin – Winを目指しながら、目的を果たせず導出社が導入社に対して損害賠償請求を求め提訴したインターナショナル裁判に対して、弁護団の依頼で、演者が専門家意見調書を提出した背景や成否の分かれ目などについても、培ったノウハウに基づき講演します。但しインサイダー情報は一切開示しません。テーマ関連で多少の脱線トークも入ります。参加者との活発なQ&A、突込みディスカッション大歓迎です。

第5部 合同質疑応答、ディスカッション

(2024年2月6日 17:15〜17:30)

受講料

複数名同時受講割引について

アカデミック割引

日本国内に所在しており、以下に該当する方は、アカデミック割引が適用いただけます。

ライブ配信セミナーについて