食品賞味期限の科学的根拠のある具体的設定手法と日持向上剤の使用法

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本セミナーでは、食品の賞味期限、消費期限の基礎から解説し、具体的な事例・データ解析例を交えて、科学的根拠のある設定方法を詳解いたします。

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プログラム

第1部 食品賞味期限の科学的根拠のある具体的設定手法

(2024年2月15日 10:30〜14:45) 途中に昼食休憩あり

開発・品質管理部門で賞味期限を設定するためには、科学的根拠とその妥当性が重要となる。実際には食品の劣化を速める加速試験が用いられるが、この加速試験の結果を解析するためにアレニウス式を利用することで、科学的な根拠と妥当性を担保する方法を紹介する。本来、アレニウス式は反応速度論として反応速度の温度依存性を表した式であり、反応工学では広く知られて利用されている数式である。 この活用方法を実際の商品のデータを用いて演習形式で説明するとともに、いくつかの食品成分指標でのアレニウス式の適用性を紹介する。またアレニウス式での予測も万能ではなく、適用できない場合とその理由についても解説する。
  1. 賞味期限の設定前に確認しておく6つのポイント
    1. 何を指標に賞味期限設定するか
    2. 指標をどのように数値化するか
    3. 品質限界の許容基準をどのように設定するか
    4. どの保存条件で賞味期限設定するか
    5. 賞味期限をいかに短期間で設定するか
    6. 安全係数をどのように加えるか
  2. 6つのポイントのヒントとなるガイドライン (国、業界団体)
    1. 厚生労働省・農林水産省からのガイドライン
    2. 業界団体等のガイドライン
    3. ガイドラインからの指標のヒント
    4. 品質限界の許容基準の違い
  3. 賞味期限設定の手順 (加速試験での予測方法)
    1. 賞味期限設定の手順とボイント
    2. 加速試験の考え方と手順
    3. 加速試験による予測の基本的な考え方
  4. 反応工学におけるアレニウス式の解説
    1. アレニウス式 (加速試験の拠り所の原則)
    2. アレニウス式からのTTT曲線
    3. 品質劣化の反応速度比を表すQ10
  5. アレニウス式による加速試験からの期限設定の演習
    1. 「和風つゆ」にアレニウス式を適用した演習
    2. 「チリソース」にアレニウス式を適用した演習
    3. 「和風だし」での指標別にアレニウス式を用いた実例
  6. アレニウス式は万能ではない (アレニウス式を適用できない場合の実例)
    1. 品質の劣化反応が一次式で解析できない課題
    2. 劣化の反応速度と温度の関係が成り立たない課題
    3. 微生物的な品質の劣化における課題
    4. 物理的な品質の劣化における課題
  7. まとめ
    1. 食品の期限表示に関する本質的課題
    2. 加速試験の考え方のまとめ
    3. 期限設定のために普段から実施すること

第2部 保存料・日持向上剤のメカニズムとその有用性

(2024年2月15日 15:00〜17:00)

 保存料・日持向上剤を利用した食品の賞味期限、消費期限の延長は、食品ロス対策として多くの食品メーカーで取組んでいます。一方で、その選択や使用方法を誤ると食品の風味を損なうこともあります。  本講演では、おいしく、日持する商品開発の助力となるよう、保存料・日持向上剤の特徴やその使い方について紹介致します。

  1. 食品の変敗防止の基礎
    1. 微生物制御の重要性
    2. 食品で問題となる微生物
    3. 微生物の制御方法
  2. 微生物制御に用いられる保存料・日持ち向上剤
    1. 保存料・日持向上剤とは
    2. 保存料・日持ち向上剤の特徴と抗菌メカニズム
    3. 保存料・日持ち向上剤の効果的な使用方法
  3. 保存料・日持向上剤を活用した商品設計
    1. ハードルテクノロジーの応用
    2. 予測微生物学とその活用

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