高分子の伸長流動メカニズムと混練技術への応用

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本セミナーでは、混練のメカニズムから、伸長流動の基礎、伸長レオロジー、講演者がこれまでに取り組んできた伸長流動によるナノコンポジットの分散技術や新規に開発した独自の伸長流動発生セグメントについての事例等を解説・紹介いたします。

日時

開催予定

プログラム

第1部 伸長流動の基礎とその測定、評価法

(2024年1月31日 10:00〜12:15)

 伸長粘度の定義とレオメータを利用した測定手法および流動複屈折法を利用した光学的手法について解説する。

  1. 伸長流動の基礎
    1. 伸張変形と剪断変形
    2. 3種類の伸長流動
    3. 伸長流動を表すパラメータ
  2. 機械的手法による伸長粘度測定法
    1. 粘稠な物体に関して
    2. 流動性の高い物体に関して
  3. 光弾性計測による評価法
    1. 高速偏光解析法
    2. 光弾性則
    3. 高速偏光イメージングによる伸長流動解析
  4. まとめ

第2部 二軸押出混練の基本と伸長流動を用いたナノコンポジットの分散技術

(2024年1月31日 13:00〜17:00)

 粘稠な物体に関して熱可塑性樹脂の機械的特性の改善や機能性の付与を目的に、機能性繊維・フィラーを複合化の検討や、種々のポリマーのブレンドを検討する上で、溶融混練技術は必要不可欠な技術である。生産性を確保する上で、連続式噛み合い式二軸押出機が用いられるが、混練中の流動場は剪断流動が支配的となり、場合によってはフィラーの破壊やポリマーの熱劣化等を引き起こし、目的とする特性が得られないことがある。特に、近年ではナノフィラーの均一分散化やナノアロイ化を可能とするコンパウンド技術の開発が望まれており、従来の剪断流動による混練とは異なる伸長流動による混練技術に注目が集まっている。  本講演では、二軸押出や混練の基礎、従来の混練技術の解説から、変形やレオロジー的な観点からの伸長流動の基礎及びメカニズムや、講演者がこれまで取り組んできた伸長流動を用いた混練技術について解説・紹介を行う。

  1. 混練機・押出機の基礎
    1. 混練機・押出機の機構
    2. 二軸押出機用スクリュの組み方の概念
    3. スクリュ形状とその混練の特徴
    4. 押出機やスクリュセグメントの開発動向
  2. ナノフィラーの分散技術の基礎と分散理論
    1. ナノコンポジットの定義とナノフィラーの種類
    2. ナノフィラー分散における課題
    3. 溶融混練法における課題とナノフィラー分散に求められるもの
    4. ナノフィラーの分散評価方法
    5. 二軸押出機を用いたナノフィラーの特殊混練方法の紹介
  3. 剪断変形と伸長変形
    1. 粘弾性体の剪断・伸長変形
    2. 伸長変形の様式と伸長レオロジーの理論
    3. 剪断・伸長レオロジー
    4. ポリマー分岐構造に由来するひずみ硬化性
  4. 伸長流動を用いた混練技術の概要
    1. ポリマーブレンド・フィラー分散系における伸長流動のメリット
    2. 二軸押出機内のどこで伸長流動が生じるのか?
    3. 伸長流動に特化した特殊混練技術の紹介
  5. 単純伸長流動場におけるナノフィラーの分散
    1. 単純伸長流動場における分散実験
    2. 伸長変形を受けたナノコンポジットの分散評価
    3. 双曲線プロファイルを用いた伸長流動分散
  6. 同方向二軸押出機のための伸長流動セグメントXBDの開発 (特許技術)
    1. 二軸押出混練に伸長流動場を導入する際の課題
    2. 伸長流動セグメントXBDの形状と特徴
    3. 二軸押出のプロセスパラメーターと新規セグメントの混練特性

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