温室効果ガスの削減は地球規模の課題であり、2015年にパリ協定が締結されています。その中で、日本は中期目標として2030年の温室効果ガスを2013年度の水準から26%削減することを目標に定めています。この目標を達成するためには、様々な用途で広く利用されているリチウムイオン系二次電池であるバッテリーの高性能化が急務であり、2030年にかけてバッテリーの需要拡大が見込まれている状況下において世界規模で推進されている電気自動車等の普及に向けた高性能バッテリーの開発が必要となります。
本セミナーでは、カーボンニュートラル社会の実現ならびにSDGsの達成に必須となるバッテリーの性能向上に有益であるシリコン材料への微細加工技術、特に最新技術であるシリコンナノ粒子への低コストかつ簡易な微細加工技術について解説します。さらに、リチウムイオン系二次電池の蓄電容量と充放電サイクル寿命等の性能面の向上を目指す実用化に向けた要素技術について解説します。
- リチウムイオン電池の動向と課題
- リチウムイオン電池の動向
- リチウムイオン電池への要求
- リチウムイオン電池材料の開発状況
- シリコン負極の課題
- リチウムシリコン合金によるシリコンの体積膨張
- シリコンの体積膨張による保護被覆層 (固体電解質界面 (SEI) 層) の影響
- シリコンと黒鉛の配合比率による蓄電容量の影響
- シリコンと黒鉛の配合比率による充放電サイクル寿命の影響
- シリコン負極の製造技術
- シリコンナノ粒子表面への細孔構造創製技術
- シリコンナノ粒子表面への金平糖構造創製技術
- 表面加工したシリコンナノ粒子への不純物添加技術
- 表面加工したシリコンナノ粒子への金属被覆技術
- 表面加工したシリコンナノ粒子への2次元材料被覆技術
- 電極スラリーの製造技術
- 集電体への塗工技術
- シリコン負極の基礎物性評価
- 表面加工したシリコンナノ粒子の表面形態と多孔度
- 表面加工および不純物添加したシリコンナノ粒子の表面形態と多孔度
- 表面加工および不純物添加したシリコンナノ粒子の添加濃度と導電性
- 表面加工および金属被覆したシリコンナノ粒子の表面形態と多孔度
- 表面加工および金属被覆したシリコンナノ粒子の添加濃度と界面抵抗
- 表面加工および2次元材料被覆したシリコンナノ粒子の表面形態と多孔度
- 表面加工および2次元材料被覆したシリコンナノ粒子の電気伝導性
- シリコン負極を用いたリチウムイオン電池の性能評価
- シリコン負極の微粉化による蓄電容量と充放電サイクル寿命の影響
- 不純物添加したシリコン負極による蓄電容量の影響
- 金属被覆したシリコン負極による充放電サイクル寿命の影響
- 2次元材料被覆したシリコン負極による充放電サイクル寿命の影響
- シリコン/黒鉛複合負極の配合比率による蓄電容量と充放電サイクル寿命の影響
- 今後の展望
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