スマートフォンを代表に、高周波対応が可能な低誘電基材を用いたFPCの要望は高まっているが、現在高周波基板材料として使われているLCPやMPIは、近い将来に誘電特性の要求を満たせなくなる。
このため、材料の多孔化やフッ素樹脂等のよりLow-Dk・Low – Dfの材料を用いた高周波対応FPC材料の採用が模索されているが、これらの材料は電気特性的には優秀であっても、FPC基板としての基本的な適性を有していない場合が多く、実用的なFPCの形成が困難である。
本講演ではこのような低誘電特性と FPC基材としての基本特性を両立させるための考え方と、それに基づいて開発した破砕型LCP微細繊維を用いたフィルムの実例を紹介する。
- 講師自己紹介
- FPCの基本
- 一般的な構造
- FPC基材の要求特性
- LCP-FPC
- LCPとは?
- LCPフィルム/FPC開発の歴史
- LCP-FPCの構造とプロセス
- 表面処理による接着性改善
- LCPフィルム/FCCL
- LCPフィルム/FCCLの作り方
- 溶融押し出しフィルム+ラミネート
- 溶液キャスティング
- LCPフィルム/FCCLの問題点
- FPC基材にLCPとポリイミドが使われる理由
- CTE制御の重要性
- LCPとPIには共通点がある
- CTE制御方法 (配向制御でCTEがなぜ金属並みに小さくなるか?)
- ランダムコイル型樹脂を用いた際のその他の問題
- 加熱工程での熱収縮
- エントロピー弾性とエネルギー弾性
- LCP多層FPC形成の要素技術
- 電極の埋め込み方法
- ビア/TH形成
- 層間密着性
- 低誘電化 (新規開発したLCPフィルム製法を例に)
- LCPのlow-Dk化の限界
- LCP以外の高周波対応材料
- 他素材の問題
- 発泡フィルムは?
- 低誘電材料とのハイブリッド化
- 複合則
- ラミネートによるハイブリッド化の問題点
- アロイフィルムによるハイブリッド化
- 破砕型LCP微細繊維
- LCP破砕の難易度
- どのように微細繊維化しているか
- 破砕型LCP微細繊維の特徴
- 破砕型LCP微細繊維のシート化 (繊維マット形成方法)
- 配向制御方法
- 複合化による低誘電化 (配向を乱す要因と対策)
- FPC基材以外の破砕型LCP微細繊維の用途
- まとめ
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