乳化・分散に役立つ界面活性剤を徹底解説

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本セミナーでは、乳化物・可溶化物の基礎から解説し、製品開発、生産プロセスの設計、トラブル対策に必要なスキルを身に付けていただきます。

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水の中に油や粉を分散して、化粧品・食品・医薬品・化学品に使われる製剤を開発するためには、界面活性剤はなくてはならない重要な原料です。しかし、安全性やコストの縛りもある中で、長期保存安定性を確保しながら、商品として求められるテクスチャーや機能を実現することは思いのほか難しいものです。また、最近ではSDGsの実現のために使用できる原料にも制限が多く、これまでの処方設計とは全く異なる考え方で商品を設計する必要が出てきています。そこで本講義では、エマルション/ディスパージョン製剤を調製するために必要な界面化学や界面活性剤に関する基礎知識を学んだ上で、エマルション/ディスパージョンの生成・崩壊メカニズムに基づいた微細化・安定化のテクニックについて説明します。  また、商品開発をする上で避けて通ることの出来ないエマルション/ディスパージョンの状態、粒度分布、安定性、界面物性、レオロジーの評価法について学びます。エマルション/ディスパージョンの特性を理解するために不可欠な表面張力・動的表面張力・表面粘弾性に加えて、最近様々な分野で利用されているCCDカメラや高速カメラによる観察の結果について紹介します。  さらに、固体粒子によって安定化されたピッカリングフォーム、われわれが開発した摩擦評価装置を用いたエマルション製剤や化粧品・食品の評価、黄色ブドウ球菌を選択的に抗菌する界面活性剤について解説します。

  1. 界面活性剤の特性と魅力
    1. 界面活性剤とは?
    2. 界面活性剤の機能と歴史
    3. SDGs時代の化粧料/身体洗浄料市場の現状と課題
  2. 乳化・分散のための界面化学の基礎知識
    1. 表面張力と界面張力
    2. DLVO理論: 液滴-液滴、粒子-粒子間に働く相互作用とそのコトントロール
  3. 乳化・分散のために使われる界面活性剤の基礎知識
    1. 界面活性剤の定義と種類
    2. 石鹸: 今も昔もエマルション/ディスパージョン設計の主役
    3. 両性界面活性剤: アニオン界面活性剤との会合体形成と界面膜の強化
    4. 皮膚刺激/環境負荷の低い機能性界面活性剤:
      • アミノ酸系界面活性剤
      • アルキルリン酸系界面活性剤
      • アルキルエーテルカルボン酸
    5. シリコーン系界面活性剤: 安全性・撥水性が高い機能性材料
    6. 天然由来の界面活性剤 サポニン ゼラチン カゼイン 大豆たんぱく
  4. 安定なエマルション/ディスパージョンの作り方
    1. クリーミングと合一の防ぎ方
      • 最適な界面活性剤と添加剤の選び方
    2. 長期安定なエマルションの作り方
      • αゲル乳化法
      • 粘土鉱物乳化法
    3. 微細なエマルション滴の作り方
      • 転相乳化法
      • 転相温度乳化法 (PIT 乳化法)
      • D相乳化法
      • 液晶乳化法
    4. 固体粒子の表面状態とディスパージョンの安定化
  5. エマルション/ディスパージョンの評価法
    1. W/OかO/Wか?
      • 色素
      • 電気伝導度
      • 希釈法
    2. 乳化系の判定
      • 目視観察
      • 顕微鏡観察
    3. 状態・物理特性
      • 粒子径・粒度分布測定
      • 粘度・レオロジー測定
    4. 自己組織化構造
      • 表面張力濃度曲線
      • 偏光顕微鏡
      • X線解析
    5. 長期保存安定性
  6. 最新情報
    1. 固体粒子によって安定化されたピッカリングエマルションとドライウオーター
    2. エマルション/ディスパーションの摩擦ダイナミクスと化粧料・身体洗浄料の評価
    3. 界面活性剤の新しい機能: 黄色ブドウ球菌を選択的に抗菌する界面活性剤
    4. SDGsに対応するために開発された界面活性剤と処方設計

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