CO2削減に効果的な電気自動車を普及させるには、蓄電デバイスの高性能化が必要である。都市型電気自動車には、ブレーキエネルギー回収率の高いキャパシターがバッテリーよりも適しているが、蓄電できるエネルギー密度が低いという欠点がある。
本セミナーでは、キャパシターの原理から分類・応用など基本知識を概論する同時に、キャパシタの大容量化の現状と将来展望に関して、開発した電解液イオンの吸着量が大きいグラフェンと導電性の大きいカーボンナノチューブを複合化させて高エネルギー密度キャパシターの事例を踏まえて、わかりやすく、かつ詳細に解説する。
- はじめに
- スーパーキャパシタとは
- 電気二重層キャパシタ
- スーパーキャパシタの構造と特徴
- 電気二重層キャパシタ応用例
- キャパシタの分類と炭素材料
- 対称型電気二重層EDLC symmetric (pure EDLC)
- 非対称電気二重層EDLC asymmetric (battery-capacitor, 50% EDLC)
- 擬似容量Pseudo capacitance (5 -10% EDLC)
- カーボンナノチューブスーパーキャパシタ
- スーパーキャパシタと電池の違い
- エネルギー密度向上の課題
- グラフェンとグラフェン複合材料特性
- グラフェンの作製
- グラフェンの特性と応用可能性
- グラフェン複合化による特性と応用可能性
- グラフェン複合材料による高エネルギー密度ナノキャパシターの開発
- CNTとグラフェンの積層化による電極構造
- 有機伝導体/グラフェン複合材料による電極構造
- グラフェン材料の活性化
- 開発成果
- グラフェン複合材料スーパーキャパシターの作製
- グラフェン複合材料スーパーキャパシターの特性評価
- グラフェン複合材料スーパーキャパシターの応用