微粒子分析技術の基礎と応用

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本セミナーでは、基本的な粒子分析技術を紹介いたします。さらに、“磁化率による粒子評価法”など新しい技術についても紹介し、粒子開発や品質評価を加速させるヒントを提供いたします。

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微粒子とは、分子以上で数mm程度まで幅の広い領域の素材を取り扱います。そこでは、分子としての性質以外に、特徴的な反応が起こります。それらは“界面自由エネルギー”がひとつの原因であり、界面自由エネルギーというものが感覚的につかみにくい概念であることが、理解を複雑化していると考えています。  そこで、基本的な物理化学の知識を振り返りつつ、界面自由エネルギーと静電相互作用など、特にナノ領域で問題となる粒子凝集などの諸問題について“距離依存の力と系全体のエネルギー”というふたつの観点から考えます。粒子の目線で課題を見つめる考え方を培った後、その課題に対してどうアプローチすべきか、その分析法について考えていきます。各種分析法について紹介しながら、その限界と課題を理解し、得られる分析結果をどう考えるかについて皆さんと共に考える時間を取りたいと思います。一方通行の情報提供にならないよう、適宜皆さんのコメントや質問を頂きながら、受講される方にとって“考える時間”になることを期待しています。

  1. 粒子に関する物理化学
    1. 粒子と分子の違い
    2. 高純度高分子の組成評価と粒子としての振る舞いの違い
    3. 界面の存在
    4. 身の回りの表面張力 – 水の液面 -
    5. 液体と固体の表面張力の違い
    6. 界面 (表面) 自由エネルギー
    7. 熱力学第二法則
    8. 粒子間力としてファンデルワールス力 (分子間力) を粒子に適応するむつかしさ
    9. 力とエネルギー・距離に依存する影響とそうでないこと
    10. 熱力学的“ゆらぎ”と表面組成のゆらぎ問題
      • 分析のタイムスケールと分析結果の分布について
    11. 熱力学的揺らぎ問題と表面電荷
    12. ブラウン運動と粒子径・ストークス・アインシュタインの式から粒子径を求める際の”粘度“の誤差
    13. まとめ
      • 粒子を知るためには物理量として何を測定するべきか
  2. 粒子分析法
    1. 粒子径測定
      • 顕微鏡法と画像解析技術
    2. 粒子径測定
      • 動的光散乱・レーザー回折法
    3. 粒子径測定
      • ナノメジャー法
    4. 粒子物性評価
      • ゼータ電位測定
    5. 粒子物性評価
      • 磁化率測定
    6. 粒子物性評価
      • 高速AFM
    7. 粒子成分評価
      • 波動関数と電子遷移と振動分光 分光分析法 (ヤブロンスキー図)
    8. 粒子成分評価
      • 顕微ラマン法
    9. 粒子成分分析
      • 近赤外分光法
    10. 粒子成分分析
      • シングルパーティクルICP-MS
    11. 粒子表面分析
      • 原子間力顕微鏡法による水和構造の評価
    12. その他分析法について (X線散乱など)
  3. これからの粒子分析の応用
    1. 細胞表面と膜貫通タンパク質について物理化学的に考える
    2. 三次元構造評価への円偏光の応用
    3. 溶媒抽出をマイクロスケールで実施した場合の効果について考える
    4. ベンチャー企業の技術価値向上への新規分析法の適応例について
    5. 粒子分析が産業としてコストから利益・新商品開発に貢献するためにできること
      (粒子分析の限界を超えるための新規分析技術の必要性と価値について)

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