ニューモダリティ医薬品の進歩性要件

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本セミナーでは、医薬品モダリティの特許調査の基礎と実践として、的確な特許調査の手法について解説いたします。
併せて、技術水準や技術動向を把握する方法、及び、特許要件や侵害の範囲に配慮した特許調査の手法について説明いたします。
また、特許調査の結果に基づいて、研究開発戦略や特許戦略をどのように構築するべきかについても解説いたします。

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プログラム

近年、ニューモダリティ医薬品として、抗体医薬、核酸医薬、再生医療・遺伝子治療などの研究開発が推進され、研究成果が積極的に特許出願されています。このような状況に伴い、ニューモダリティ医薬品の特許実務の重要性が高まっています。  ニューモダリティ医薬品の特許実務を適切に行うためには、進歩性要件に関する知識・見識が重要です。とくに、最近の特許審査、登録特許、裁判例の傾向に基づいて、進歩性要件に関する最近の実務の傾向を習得し、進歩性要件に配慮した明細書・クレームを作成することが重要です。  本講演では、このような観点から、ニューモダリティ医薬品の進歩性要件に関する最近の実務の傾向と新たな特許戦略について解説します。

  1. ニューモダリティ医薬品の特許動向
    1. 抗体医薬
      • 抗体の構造改変
      • 薬物抗体複合体
      • 二重特異性抗体
      • 次世代抗体など
    2. 核酸医薬
      • 核酸の構造改変
      • 核酸 – リガンド – 複合体
      • 脂質ナノ粒子の利用など
    3. 低分子医薬・中分子医薬
      • プロドラッグ
      • 結晶多型・水和物
      • 改変ペプチド
      • 環状ペプチドなど
    4. 再生医療・遺伝子治療
      • 免疫療法
      • 遺伝子治療
      • ゲノム編集
      • オルガノイドなど
  2. ニューモダリティ医薬品の進歩性要件
    1. 技術分野に対応した進歩性の考え方
      • 改変抗体、抗体薬物複合体、二重特異性抗体など
      • 改変核酸、アンチセンス、siRNAなど
    2. クレームの種類に対応した進歩性の考え方
      • 有効成分、医薬用途、用法用量、機能的クレームなど
      • プロダクト・バイ・プロセス・クレームの可能性
    3. 実験データの開示
      • 実験データの開示の程度と進歩性の充足性
      • 実験成績証明書と後出しデータの取り扱い
    4. 発明の効果の主張
      • 効果の主張の程度と進歩性の充足性
      • 効果の主張に関する意見書の作成
  3. ニューモダリティ医薬品の特許審査 (審査基準)
    1. 技術分野の関連性、課題の共通性
    2. 作用、機能の共通性
    3. 引用発明の内容中の示唆
    4. 有利な効果、阻害要因
    5. 拒絶理由への対応、面接審査など
  4. 最近の裁判例からの教訓
    1. 「PTH含有骨粗鬆症治療剤事件」知財高裁2022年6月22日判決
      • 明細書に記載されていない効果の主張
    2. 「免疫原性組成物を安定化させる製剤事件」知財高裁2021年5月17日判決
      • 公知文献で認識されていなかった効果
    3. 「炎症性疾患・自己免疫疾患治療剤事件」知財高裁2020年12月14日判決
      • 引用発明に内在する効果の主張
    4. 「アレルギー性眼疾患治療剤事件」最高裁2019年8月27日判決
      • 医薬発明の顕著な効果の基本的な考え方
  5. ニューモダリティ医薬品の登録特許の事例分析
    1. 登録クレームの最近の傾向
    2. 日米欧の登録クレームの比較
    3. 必要な実験データの開示の程度
    4. 発明の効果の主張方法
    5. 最適な特許明細書・クレームの提案

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