エマルションやマイクロエマルション製剤は実用系で広く用いられている。近年、乳化や可溶化の解析に相図が用いられるようになって、従来複雑で難解であり、ノウハウ的な要素が強いと言われていた乳化機構の理解が容易となってきた。本セミナーでは乳化と可溶化の基本をわかりやすく整理・解説するとともに、その設定に欠かせない相図の読み方作り方を平易に解説し理解していただく。
また、実用系におけるエマルション、マイクロエマルション、ナノエマルションに関して、その設計と適切な界面活性剤選択および調製手法を解説する。また実用系におけるトラブル例とその対処法、今後の技術トレンドについても解説を行う。
- エマルションの基礎と状態解析の実際
- エマルション、マイクロエマルション、ナノエマルションとは?
- マクロ～ナノエマルションの観察と定量測定の実際
- エマルションの調製と安定化の定石 (乳化安定化理論)
- 実用系でのエマルション状態と各種トラブル解決法 (実用系の落とし穴)
- 乳化のための界面活性剤基礎知識
- 界面活性剤の溶解挙動
- 両親媒性分子がつくる会合体:液晶、ゲル、D相の状態と見分け方
- 親水性/親油性バランス (HLB) 制御と乳化への応用
- 相図の読み方と乳化解析の基礎
- 相図の基本ルールと相図作成の実際
- 相図でわかる界面活性剤の能力と利用ポイント
- 乳化手順で状態が異なる理由 (界面活性剤/水/油系の相図)
- 微細エマルションの生成法とその原理
- 乳化・可溶化の妥当性と最適条件を知る
- 両連続 (bicontinuous) 相とマイクロエマルション
- マイクロエマルションを用いたナノサイズエマルション調製
- 液晶、D相を用いた微細エマルションの調製のポイント
- 高内相エマルションの安定化と界面膜挙動解析
- 実用系で生きる最新乳化・可溶化技術とトレンド
- ナノサイズエマルションの安定化:オストワルドライプニングとその防止
- 液晶/D相を用いた透明ゲルエマルションと自己乳化製剤
- 可溶化能を高めるための手法と両連続マイクロエマルション製剤
- マルチラメラ型エマルションとナノエマルションゲル
- 古くて新しいピッカリングエマルションとソフトマターの3相乳化
- 高分子多糖を用いたエマルションと撥水性O/Wエマルション