CO2固定微生物の種類、特徴と有用物質生産への活用

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本セミナーでは、CO2固定微生物について取り上げ、CO2固定量と削減効果の試算について詳解いたします。
また、期待される水素細菌等の培養方法や株の維持、応用先、各種課題について解説いたします。

日時

開催予定

プログラム

第1部 微生物による二酸化炭素の固定化とその応用展開

(2024年1月15日 10:00〜11:30)

 微生物によるカーボンリサイクルの将来的な位置づけについて、理解していただくことを目指しています。

  1. 脱炭素社会の概要
    1. 二酸化炭素の固定化
      1. 二酸化炭素の物性
      2. 二酸化炭素固定化の化学
      3. 二酸化炭素固定化と二酸化炭素隔離
      4. 二酸化炭素固定化の動向
    2. 脱炭素社会
      1. 江戸時代のエネルギー事情
      2. 現在のエネルギー事情
      3. 脱炭素社会のエネルギー事情
      4. 太陽光発電
      5. 風力発電
      6. 電気自動車と蓄電池
      7. 水素とアンモニア
      8. 山林の活用
    3. カーボンリサイクル
      1. 二酸化炭素固定生物
      2. 人工光合成
      3. メタネーション
      4. フィッシャー・トロプシュ (人造石油)
      5. 窒素固定
  2. 微生物による二酸化炭素固定の生化学〜メカニズムと物質生産事例〜
    1. 光合成生物による二酸化炭素固定
      1. 光合成 (明反応)
      2. 光合成 (暗反応)
      3. NADHとATP
      4. 酸化的リン酸化によるATP合成
      5. 光合成の効率
      6. 光合成生物の課題
      7. 光合成生物の得意を活かすには
      8. 窒素固定藻類
    2. 非光合成生物による二酸化炭素固定
      1. ヒドロゲナーゼと酸化的リン酸化によるATP合成
      2. NADHと酸化還元反応
      3. 水素酸化細菌
      4. 水素酸化細菌の見つけ方
      5. 水素酸化細菌によるタンパク質生産
      6. 水素酸化細菌による生分解性プラスチック生産
      7. 水素酸化細菌によるバイオ燃料生産
      8. 水素酸化細菌の課題
      9. ギ酸酸化菌およびギ酸資化菌
      10. ギ酸ヒドロゲナーゼと酸化的リン酸化によるATP合成
      11. アンモニア酸化菌 (硝化細菌)
      12. 鉄酸化菌
      13. 嫌気的非光合成生物
      14. メタン生成菌
      15. アセトジェン
  3. 現状と展望微生物培養の実際〜培養フロー・再エネとの連携・理想の微生物探索〜
    1. 光合成生物 (微細藻類) 培養の実際
      1. 培養装置と培養液
      2. コンタミネーション
      3. 藻類を捕食する生物
      4. 株の維持
    2. 微細藻類の農業活用/養殖活用
    3. 最強の微細藻類とは?
    4. 水素酸化細菌培養の実際
      1. 太陽光発電と水素酸化細菌培養の組み合わせ
      2. 培養装置と培養液
      3. コンタミネーション
      4. 生分解性プラスチックの抽出
      5. 株の維持
    5. 水素酸化細菌の農業活用/養殖活用
    6. 最強の水素酸化細菌とは?
    7. 微生物によるカーボンリサイクルが築く脱石油社会

第2部 水素酸化細菌によるCO2の有効利用とその応用展望

(2024年1月15日 12:10〜13:40)

 水素酸化細菌の特徴を説明するとともに、その特徴を活用することでどのようなCO2有効利用技術が展開可能か、現在の国内外での取り組みおよび展望を紹介する。

  1. 水素酸化細菌を使ったCO2の有効活用 (カーボンリサイクル)
    1. ネットゼロに向けたカーボンリサイクル技術の位置づけ
    2. カーボンリサイクル技術としてのバイオものづくりの特徴
    3. CO2を原料としたバイオものづくりに関する国の動向
    4. CO2を固定する微生物、水素酸化細菌とは
    5. 水素酸化細菌の特徴と他のCO2固定微生物との比較
  2. 海外における水素酸化細菌を使ったバイオものづくりの動向
    1. 海外での取り組みのコンセプト
    2. 水素酸化細菌を使ったタンパク質生産の利点と可能性
    3. 海外企業の取組事例の紹介
  3. 水素酸化細菌を使ったバイオものづくり
    1. 国内での取り組みについて
    2. 期待されるCO2固定量、削減効果の試算
    3. 技術開発課題
    4. 社会実装に向けた課題と展望

第3部 非光合成微生物によるCO2の固定化とその応用

(2024年1月15日 13:50〜15:20)

 生物を利用した二酸化炭素資源化技術は、無機触媒技術と比べ反応速度には劣るが複雑かつ多様な有機物を合成可能という利点がある。しかし植物や藻類を利用する現行の技術では、低い反応速度 (生産性) 、食料との競合、多量の水の要求といった課題がある。  本セミナーでは、それらの課題を解決しうる新技術として、光の代わりに電力や水素等の電解生成物をエネルギー源とする非光合成微生物を用いた二酸化炭素資源化技術を紹介する。

  1. 二酸化炭素資源化の必要性
    1. カーボンニュートラル、ネガティブエミッション
    2. 日本における「バイオマス・セキュリティ」の重要性
  2. マテリアル技術とバイオ技術の融合
    1. マテリアル技術による二酸化炭素資源化技術
    2. バイオ技術による二酸化炭素資源化
    3. マテリアル・バイオ融合の必要性
  3. 非光合成微生物による二酸化炭素資源化
    1. 電気合成微生物の利用
    2. 水素酸化細菌の利用
    3. 触媒合成有機物を代謝する微生物の利用

第4部 合成ガスとH2/CO2を原料とするガス発酵技術による化学品生産

(2024年1月15日 15:30〜17:00)

 現在、化学的、生物学的手法で、様々なカーボンリサイクル技術の開発が進められている。生物学的手法としては、微細藻類などの光エネルギーを用いたCO2リサイクル技術やバイオマスを原料とした伝統的な発酵技術を用いた燃料・化学品製造がよく知られている。しかし、最近、バイオマスはもちろん、H2/CO2や合成ガスも利用できる嫌気性ホモ酢酸菌による”ガス発酵技術”の進歩が目覚ましい。そこで本講座では、このガス発酵技術を解説すると共に、その最新の知見を紹介する。  カーボンリサイクル技術として注目されている微生物による発酵生産技術の中で、再生可能資源であるバイオマス、H2/CO2、そして合成ガスを全て利用できる嫌気性ホモ酢酸菌を用いた化成品製造技術について知ることができる。

  1. 微生物の性質
    1. 微生物とは
    2. 微生物の様々な代謝機構
    3. 微生物がつくる物質
  2. 微生物によるカーボンリサイクル物質生産技術
    1. バイオマス由来有機物を用いた発酵生産
    2. 光エネルギーを用いたCO2固定型物質生産
    3. 合成ガスを用いたカーボンリサイクル型ガス発酵
    4. 水素を用いたCO2固定型ガス発酵
    5. バイオ技術を活用した化成品製造技術の可能性

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