数年前の半導体不足は需要の拡大と供給のひっ迫より引き起こされたと言われている。半導体が使われる電子部品としてメモリ、センサ、トランジスタ、ダイオード等が知られており、半導体を利用した電子部品 (能動素子) は代表的なものとして、社会のインフラ (一例、スマートホン) 、家電製品、自動車がある。
さて、これらの製品は半導体だけで構成されているのだろうか。実際には、半導体の周りには多くの積層化された電子部品 (受動素子) (L,C,R=コイル、コンデンサ、抵抗) が取り巻いている。
中でも積層セラミックスコンデンサ (MLCC) は小型・高性能・省電力化が進んだ電子機器で多数使用されている。特にNi内電MLCCは、Ni金属の低コスト化を特徴にして大容量・小型化が急激に進んだ。チップサイズは年々小型化し0201タイプ (0.2×0.1mm) の実用化も始まっている。おそらくこのサイズで進展は止まると思われるが、近い将来、5G/beyond5Gおよび6Gにおいても高周波数利用のMLCCはさらに必要とされる。
一方、自動車の将来技術“CASE=自動運転・コネクテッド・シェアリングそして電動化”の中の“E=電動化”に代表されるパワートレインに使用される車載用MLCCは高電圧対応・高温対応のU2J,COG (NP0) 規格のMLCCの需要が急増している。これからは主流になるであろう。
このセミナーではNi内電MLCCの材料から始まって、これらの高積層技術、高信頼性技術とさらに将来展望まで幅広く、かつ詳細に解説を行なう。
- MLCC世界ランキングと市場
- MLCCのサイズの変遷,MLCC事情
- MLCCをLCR等価回路で考えると、車のEV化に向けて低ESLコンデンサの利用
- MLCCの小型・大容量化の展開の歴史から現状
- 材料から見たBaTiO3+希土類+アクセプタ+固溶制御材+焼結助剤の歴史
- EV用MLCCとしてU2J,COG (NP0) 特性のCu内電MLCC
- MLCCの小型化、容量密度の進化、誘電体層薄層化の進化
- Ni-MLCCの製造プロセス、グリーンシートの技術動向
- MLCCの進展方向、小型化、大容量、高信頼性、自動車用コンデンサの要求性能
- Ni-MLCCの製造プロセス、グリーンシートの技術動向
- 高信頼性MLCCに必要なこと、微小粒径、コア・シェル構造の利点
- 薄膜用MLCCに求められる特性
- 固相法によるBaTiO3の微細化の技術
- 固相反応によるBaTiO3 の反応メカニズム
- 水蒸気固相反応法、BaTiO3の低温反応、水で加速する室温固相反応 (BaTiO3)
- Cold sinteringによるBaTiO3合成
- 粉砕と分散とは、メディアのサイズ、メディアの材質
- X8R規格のMLCC (Ba,Ca,Sn) TiO3の特性評価、Caの役割、Snの役割、応力印加効果
- 電圧印加で容量が増加するMLCCとは、PZT薄膜のキュリー点が600°C???
- 高積層・高容量MLCCのためのNi内部電極用Ni微粒子、供材
- 2段焼成法のNi内部電極の効果,カバーレッジの向上
- Ni内部電極の成形メカニズム
- Ni内部電極の連続性 (カバーレッジ) 向上のメカニズム
- Ni電極向上のために
- プラズマ法微粒子の特徴
- Ni電極の連続性改善添加効果
- Ni電極印刷法の進展 (グラビア印刷)
- CGO,NP0特性のCu内電MLCC
- MLCC外部電極 (高温対応)
- MLCC外部電極の劣化 (応力)
- MLCCの信頼性I KFM法, MLCCの信頼性II E-J評価
- 絶縁劣化メカニズム
- MLCCの信頼性
- MLCCの信頼性
- 最近のMLCC研究動向
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