製薬企業がとるべき医療DX戦略とその事業化事例

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本セミナーでは、製薬企業がDXを活用した新しい付加価値の創出や事業化・マネタイズ戦略を、事例とともに解説いたします。

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プログラム

第1部 医療DXを活用した新規事業・ビジネスの創出

(2023年12月4日 13:00〜14:30)

 近年、あらゆる産業においてInternet of Things (IoT) 、クラウドコンピューティング、チャットGPT、人工知能・機械学習に代表されるデジタル技術が大きく発展し、提供される商品やサービスを通じて私たちの生活に浸透しているのはご存じの通りです。実際、部屋を見渡せばスマートフォン、PCなど有形物だけではなく、無線LANやソフトウェアなどの無形物を含め、いたるところにデジタル製品が存在することに気が付きます。このようなデジタル技術の浸透はヘルスケア産業においても例外ではありません。電子カルテにおける安全・安心なデータ管理、検査・診断機器における定量的な情報取得とその処理プログラムなど、医療現場でデジタル技術は多くの恩恵をもたらしています。このような医療現場で用いられる医療機器のうち,特にソフトウェア単独で構成される医療機器は,国際的にはSoftware as a Medical Device (SaMD) と呼ばれ、日本では医療機器プログラム と呼ばれています。SaMDにはPC上で動作するものもありますが、スマートフォンの発達に伴って、スマホアプリとして動作するものが増えてきています。そうしたSaMDの中で、疾患の治療 (介入) を目的とするものをDigital Therapeutics (DTx) と呼び、デジタル治療薬という新たな治療手段 (モダリティー) として既存の医薬品に加わる可能性があります。その他にも未病、予防のために初期症状を認識する簡易デバイスや、五感など感覚器を利用した予防、刺激の取組などの実例が示されています。  今回のセミナーではデジタルやデータを用いた予測、検知、予防、治療などの塩野義製薬のDX戦略に基づいた具体的事例を対象に,従来の”くすり”を広義に再考、再定義するような機会に繋げたいと思っています。

第2部 RWDを活用したPatient Centricな情報の創出と提供

(2023年12月4日 14:45〜16:15)

 リアルワールドデータ (RWD) は、臨床や日常の生活で発生する健康・医療に関わるデータで、限られた患者を対象とした臨床試験では対応できない、実際に治療を受ける様々な背景の患者にあったデータを提供できる。RWDは、製薬企業や研究者らが自ら収集する場合と、既存のデータベースを利用する場合がある。後者の既存のデータベースを利用する場合には、臨床の現場から必要とされる情報を、臨床研究を実施する場合よりも早く提供できるというメリットもある。一方で、RWDには様々な限界があり、その限界を理解し、提供する情報でも限界を伝えることが必要である。  本講演では、RWDを利用した情報の創出の概要や方法について説明し、事例を紹介する。また、患者中心の視点をどう取り入れるべきかを論じる。

  1. リアルワールドデータ (RWD) とは
    • RWDの種類
    • 個人情報とRWD
  2. 国内で利用可能なRWDのデータベース
    • データベースの紹介
  3. RWDのメリットと限界
    • RWDのメリットと限界
    • RWDと無作為化比較試験の違い
  4. リサーチクエスチョンと実施可能性
    • リサーチクエスチョンの考え方、患者中心の視点
    • 実施可能性のポイント
  5. 事例
    • RWDによるエビデンスの例
  6. 今後の発展
    • 電子カルテデータ
    • パーソナルヘルスレコード (PHR)

第3部 製薬企業としての患者サポートプログラムのメリット・最大活用のポイント

(2023年12月5日 10:30〜12:00)

 これまでヘルスケア市場は治療領域に重きがおかれてきましたが、徐々に治療から健康維持・増進領域へ移り始めています。これまでの製薬企業の患者への価値提供は間接的でしたが、市場の変化に伴い、これからは、さらに患者の近くに立ち、患者視点での直接的な価値提供が必要になると考えられます。  本講演では、将来のヘルスケア市場を踏まえ、患者サポートプログラム (PSP) に取り組む意義や、製薬企業として実施するメリットをご紹介いたします。加えて、患者サポートプログラムを始める・推進する上でのポイント (新規獲得・強化すべきケイパビリティ、アプローチ、等) を解説予定です。

  1. 将来のヘルスケア市場
    1. ヘルスケア市場の変化、将来のヘルスケアの世界観
    2. 将来のヘルスケア市場における、製薬企業の位置づけ
  2. 患者サポートプログラムに取り組む意義
    1. 患者サポートプログラム定義・種類
    2. 患者サポートプログラムを進める上での、各ステークホルダーにとってのメリット
    3. 製薬企業が享受できる価値
  3. 患者サポートプログラムの最大活用のポイント
    1. 新規獲得・強化すべきケイパビリティ
      1. Human Experienceに寄り添ったカスタマージャーニー設計力
      2. 患者のインサイトを集約・個別化されたサービスを可能にするテクノロジー
      3. 患者施策を推進できる人材や組織体制
    2. 患者サポートプログラム推進する上で特に検討すべき事項
      1. 登録率向上への工夫
      2. インパクト (ROI) の捉え方
      3. サービスの外注・内製化
  4. 患者サポートプログラムを始める上でのアプローチ

第4部 製薬企業としてのデジタルバイオマーカー活用にむけての検討

(2023年12月5日 12:45〜14:15)

 製薬企業として、患者さんやご家族のニーズ・課題にこたえるためには、医薬品の価値最大化や付加価値を考えることが重要であると考える。その為には、デジタルバイオマーカーは有効な打ち手の1つであるが、その創発や開発において様々な課題を抱える企業が多いのではないかと推察される。  本講演では、デジタルバイオマーカーに関して、ニーズの把握からデジタルツールの探索・創発、開発やSaMD化のステップの例を示し、その過程における課題と打ち手の考え方を、いくつか紹介したいと考える。

第5部 製薬企業としての行動変容アプリの開発と活用

(2023年12月5日 14:30〜16:00)

 当社は世界の人々の健康に貢献するために数多くの医薬品を創製・提供してきたが、社会環境の変化やデジタル技術の発展により、医薬品の開発・生産・販売プロセスにも変革が求められている。また、早期診断、治療アドヒアランスの向上、治療後の社会復帰など、医薬品だけでは解決できない課題も数多く存在する。  本講演では当社の医療DXの取組みについて概説するとともに、生活習慣病の発症予防・重症化予防のための保健指導をサポートする目的で開発した行動変容アプリについて、その開発プロセスと活用事例について解説する。

  1. 田辺三菱製薬の歩み
  2. 日本の医療・ヘルスケアの課題
  3. 田辺三菱製薬のDXの取組み
  4. 行動変容アプリの開発と活用
    1. アプリの企画・設計
      1. アプリの概要と目的
      2. 基本設計/ユーザーインターフェース
      3. 行動変容アルゴリズム
      4. 非医療機器アプリとしての開発
    2. アプリの開発・運用
      1. 開発と検証プロセス
      2. 情報セキュリティマネジメント
    3. 今後の展望

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