本セミナーでは、大気圧グロープラズマ法を用いた場合の均質プラズマ生成と制御技術の基礎及び高分子フィルム表面処理、薄膜堆積、粉体処理等への応用研究例について解説いたします。
プラズマ技術はハイテク産業にとって、無くてはならない技術の一つである。一般に低圧下のプラズマは高速電子の発生により、数百度から常温の状態下で気体中に様々な化学反応を、容易に起こす事ができるので、この方法を用いれば低温下で任意の表面に有機重合物や無機化合物の堆積、あるいは素材自身の表面改質も可能となる点から、 長年の間、高分子、金属、各種固体表面の改質処理法として多くの研究が報告されてきた。 一方、コロナ放電、無声放電などの大気中低温プラズマは空間的に不均一であり、低圧プラズマの様な均質で拡散したグロー状態や、高い電子温度が得られない事等から、低圧プラズマ中で行われてきた様な種々の表面処理、薄膜堆積には不向きとされてきたのである。 ここでは1987年に筆者らにより初めて提唱され、新しい低温プラズマ技術として世界中に定着しつつある、大気圧グロープラズマ法を用いた場合の均質プラズマ生成と制御技術の基礎及び高分子フィルム表面処理、薄膜堆積、粉体処理等への筆者らの応用研究例について述べる。