近年、半導体の微細化は、原子レベルの成膜・加工に加えて、EUV光源の半導体リソグラフィーへの適用により、nmレベルの加工をターゲットとして進められている。配線プロセスを例にとると、More Mooreの流れではCo、Ruのような腐食しやすいあるいは研磨しにくい材料が、またMore than Mooreの流れではウエハーの直接接合技術が導入され、CMPプロセスに対して新たなチャレンジをもたらしている。一方で、全ての配線層において高機能洗浄プロセスの確立が極めて重要となり、従来の経験と勘ではなく物理・化学の原理・原則に基づいた界面制御を行うための洗浄技術の適用が求められている。
本講座の前半では、半導体のウェット洗浄技術について基礎から概説するとともに、CMPおよび後洗浄プロセスのトレンドなど応用用途について俯瞰する。また後半では、CMPの後洗浄技術に焦点をあて、洗浄剤成分・配合などの観点から、さらには機能設計をする上で重要な評価・解析手段について紹介する。
- 半導体洗浄の基礎
- 技術変革とクリーン化要求
- 分子のイオン解離
- 洗浄に求められる機能と課題
- ウエハー表面汚染の除去
- 異物 (パーティクル) 除去
- 有機物除去
- 金属 (メタル) 除去
- 金属の電気化学的付着及びその抑制
- post CMP 洗浄技術
- CMPプロセスの概要
- post CMP 洗浄プロセス
- post CMP 洗浄の技術動向
- post CMP 洗浄剤の機能設計
- 洗浄剤のターゲット汚染と要求性能
- 洗浄における課題
- 洗浄の作用機構
- 洗浄剤のケミカル材料と配合設計
- 酸性/アルカリ性による洗浄剤の機能設計
- 基板の表面/界面評価技術
- post CMP洗浄の性能評価
- パーティクル除去性評価
- 有機残渣評価
- 残渣溶解試験
- 水晶振動子マイクロバランス (QCM) による溶解性評価
- Open circuit potential (OCP) による吸着・脱離挙動解析
- ToF – SIMSによる表面残渣解析
- 基板表面の配線腐食、表面酸化状態解析
- XPSによる金属酸化状態の解析
- 電気化学的還元分析
- AFM/KFMによる局所構造解析
- Tafel PlotによるGalvanic腐食評価
- まとめ
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