第1部「高熱伝導性セラミックスフィラーを利用した放熱材料の開発」
(2023年10月24日 10:30〜12:00)
樹脂に添加される熱伝導セラミックスフィラーについて講演を行います。まず、なぜ窒化物セラミックスが高熱伝導なのかを説明します。続いてフィラー形状が樹脂の熱伝導に与える影響として、異方性のある窒化ケイ素ナノワイヤーフィラーの合成と熱伝導に与える影響について説明します。また、異方性のない等軸状の多面体窒化ホウ素フィラーについても合成と樹脂複合材料の熱伝導率について報告します。
- セラミックス
- 高熱伝導非酸化物セラミックス
- 高熱伝導フィラーの選択
- 代表的な材料の熱伝導度
- 窒化アルミニウム (AlN)
- AIN焼結体の熱伝導度
- AlNセラミックスの熱伝導における粒径の影響
- 窒化ケイ素 (Si3N4)
- Si3N4焼結体の熱伝導度
- Si3N4セラミックスの平均粒径と熱伝導度の関係
- 窒化ホウ素 (BN)
- BNの熱伝導率
- SiCセラミックスの熱伝導度
- 非酸化物セラミックスの熱伝導度と電気伝導
- 高熱伝導ハイブリッド材料
- Si3N4ナノワイヤー添加エポキシハイブリッド材料
- 多面体BN/エポキシハイブリッド材料
- 粒成長多面体BN/エポキシハイブリッド材料
第2部「シリコーン放熱材料 (ギャップフィラー) の技術開発動向」
(2023年10月24日 13:00〜14:10)
放熱材料 (TIM: Thermal Interface Material) は、電子部品の発熱部位と冷却システム間に介在し、熱を効率よく逃がすことで電子部品の性能低下・破損・誤作動など防ぐために用いられる。電子機器の小型化・高集積化に伴い実装部品の発熱量は増加傾向にあり、熱対策として放熱材料の需要は非常に高まっている。さらに、車の電動化や自動運転化により電装部品の搭載が進み、その用途がら高い信頼性の要求に耐える材料が求められるようになった。
当社は耐熱性・耐候性・耐寒性・柔軟性といった特徴を有するシリコーンをベースとした放熱材料を開発を推進している。本講座では先ず、ベースとなるシリコーンの特性や放熱材料を扱う上で必要な知見、そして高性能化へのアプローチについて紹介する。次に、材料設計思想 (コンセプト) とそれに基づいて当社が開発展開する放熱材料のラインナップ (グリース、プリキュアード、ギャップフィラー、シート等) について説明する。
- シリコーン放熱材料の概要
- 放熱材料とは
- シリコーンの特性
- 放熱特性について
- シリコーン放熱材料の高性能化アプローチ
- 高熱伝導率化 (フィラーの最適化)
- 接触熱抵抗の低減
- シリコーン放熱材料の技術・開発動向
- 材料の設計 (コンセプト)
- 当社液状放熱材料の紹介
- 当社加工品の紹介
- 高硬度シート
- 低硬度パッド
- フェイズチェンジマテリアル
第3部「ウレタン系TIMの特性と高熱伝導化」
(2023年10月24日 14:20〜15:50)
近年、電子機器の高性能化、小型軽量化が進み、多くの部品やユニットにおいて熱対策が重要な課題となっている。熱対策の一つの手段として、樹脂の高熱伝導化が求められている。一般的に、樹脂に熱伝導性を付与するためには、アルミナや酸化マグネシウム等の熱伝導フィラーを配合するが、フィラー高充填系においては、粘度上昇により作業性が悪化することから、特性との両立が必要である。また、放熱の効率性を考慮し、熱伝導率だけでなく、界面接触熱抵抗の概念を取り入れた設計が必要である。
柔軟で耐熱性の高いシリコーン系TIMが主流となっているが、シリコーン系TIMにもいくつかの課題があるため、ウレタン系TIMの選択肢を示すとともに、配合技術の基礎と材料特性について解説する。
- 放熱材料の種類と市場及び用途
- ウレタン系TIMの材料構成と構造
- ポリオール
- 鎖延長剤
- イソシアネート
- 触媒
- 添加剤
- 熱伝導フィラー
- 構造
- ウレタン系TIMの特長と評価
- 特長
- 熱抵抗と熱伝導率
- 振動吸収性
- ウレタン系TIMの課題と解決策
- 耐久性/信頼性
- 量産設備への適合化
- ウレタン系TIMの性能
- フィラーの影響
- プロトタイプ
- 耐久性
- 更なる高熱伝導化
- フィラーの最密充填
- 特性
- まとめ
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