FIH試験/早期臨床試験における投与量算出の検討と試験継続の可否の判断

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ヒトへ初めて投与するFirst in Human (FIH) 試験を含む早期臨床試験では、それ以降の試験に比較し前もって得られるデータが非常に少ない。  今回は、第1部にて企業目線からヒト初回投与量設定への非臨床試験 (投与経路・用量設定・検査パラメーター等) 実施、並びに試験成績とネガティブ情報による安全係数に至る留意点などをご解説いただき、第2部では実施医療機関側における臨床医の立場でどのようなことを考えながら実施しているのか、ステップアップ及び継続の可否の判断などについてご解説いただく。

第1部 FIH試験/早期臨床試験にむけた初回投与量/安全係数の設定根拠にむけた非臨床データ活用と信頼性

(2023年12月11日 13:00〜14:40)

 新医薬品の開発では、動物からヒトへの治験には非臨床の有効性と安全性情報は欠かせないが、臨床試験のIII相期間中に動物とヒトとの感受性による差などにより、約80%が脱落するとの報告もある。動物への倫理やリソース資源の効率化には、in vitro試験への代替、in silico情報の導入、あるいは非臨床試験実施時期を臨床試験とのタイミング調整が考えられる。また、臨床試験被験者への安心・安全に考慮して健常人への第1相試験 (早期探索試験を含む) デザインに係わる非臨床試験は、ICH (医薬品規制調和国際会議) – M3「臨床試験のための非臨床試験の実施時期」ガイダンスと質疑応答集に定められている。  今回、ヒト初回投与量設定への非臨床試験 (投与経路・用量設定・検査パラメーター等) 実施、並びに試験成績とネガティブ情報による安全係数に至る留意点を解説する。また、添加剤を含む製剤の安全性を含めた信頼の置ける文献情報や治験薬概要への活用も紹介する。

  1. 非臨床試験と臨床試験の流れ
    • ICH規制ガイダンスと試験実施時期・目的
    • 剤形・物理化学的・薬効・動態と安全性
  2. 非臨床安全性試験における投与経路と用量設定
    • 臨床第I相試験と早期探索的臨床試験とは
    • 薬理作用と安全性薬理・薬物動態
    • 有効成分の単剤と配合剤における一般毒性試験
    • 有効成分、添加剤、不純物の遺伝毒性試験
    • 生殖発生毒性と小児を見据えた幼若毒性試験
    • 新剤形を含むその他の非臨床試験
  3. 非臨床試験検査パラメーターとヒト初回投与量/安全係数
    • 無影響量/無毒性量と推定最小薬理作用量の活用
    • 有効性と安全性ネガティブ情報 (類薬を含む) の活用

第2部 FIH試験・早期臨床試験における実施前〜実施中の注意点 (実施医療機関の臨床医の観点から)

(2023年12月11日 14:55〜16:30)

 ヒトへ初めて投与するFirst in Human (FIH) 試験を含む早期臨床試験では、それ以降の試験に比較し前もって得られるデータが非常に少ない。特にFIH試験ではヒトでのデータはなく、非臨床試験のデータからヒトへ外挿した場合を想像して、さまざまな副作用発現を考慮しながら実施しなければならない。本セミナーでは実施医療機関における臨床医の立場でどのようなことを考えながら実施しているのか、注意点を中心に私見を述べたい。

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