セラミックスの結晶構造、微細組織の解析方法

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プログラム

第1部 透過型電子顕微鏡によるセラミックスの微細構造解析

(2023年11月13日 10:30〜12:00)

 セラミックス材料の有する諸特性を制御する基本は、その材料の構造、組織や組成を理解することにあります。この目的を達成するために用いられるのが走査型電子顕微鏡 (SEM) 、透過型電子顕微鏡 (TEM) や、材料を構成する元素やその組成をナノスケールで分析できる電子線マイクロアナライザ (EPMA) です。近年のナノテクノロジーの台頭により、この 各種の電子顕微鏡の重要性はますます高まってきています。  本セミナーでは、圧電体材料、磁性材料、リラクサー材料などの典型的セラミックス材料を取り上げ、観察データを正しく解釈するための電子線光学や結晶回折学に関する基礎知識について解説するとともに、TEM を用いてセラミックス材料の微細構造観察法や実際の観察データの解析方法等について解説する。

  1. 緒言
    1. 透過型電子顕微鏡法
  2. 透過型電子顕微鏡によるセラミックスの微細構造解析
    1. 透過型電子顕微鏡を用いた誘電体酸化物材料の微細構造観察
    2. 透過型電子顕微鏡を用いた磁性酸化物の微細構造観察
    3. 透過型電子顕微鏡を用いた電池材料の構造・組織変化の解析について
      1. 電子回折法による構造解析
      2. ホローコーン暗視野法による微細構造観察
      3. 電子線PDF法による局所構造解析
      4. 高温TEMその場観察
  3. 最近の研究から
  4. まとめ

第2部 X線粉末回折法によるセラミックスの結晶構造解析

(2023年11月13日 13:00〜14:30)

 セラミックス研究に携わる者にとってX線粉末回折法は必須の技術であるが、回折プロフィルが一次元に重なり合っていることから、結晶構造や相組成に関する正確な情報を導出するためには、ある程度の知識と技術を要する。  本講座では、粉末回折の基礎を復習したのち、結晶相の定量分析法や、未知・不規則構造解析に威力を発揮する最大エントロピー法などの最新の解析手法を分かりやすく解説する。

  1. 粉末回折パターンはどのようにつくられるか
  2. 粉末回折データの解析方法
    1. パターン分解法
    2. 指数付け
  3. 未知構造の解析
    1. 直接法とリートベルト法
    2. 最大エントロピー法 (MEM) とMEM-based pattern fitting (MPF) 法
    3. MPF法による構造モデルの修正
  4. 不規則構造の解析
    1. MPF法による構造モデルの修正
    2. チャージフリッピング法による構造モデルの導出
  5. 結晶相の定量分析 ブリンドリー法による補正

第3部 電子線後方散乱回折法を用いたセラミックスの構造解析

(2023年11月13日 14:45〜16:15)

 セラミックス等結晶質材料を用いてモノづくりを行う際には、用いる材料の特性を十分に把握する必要がある。また、特性を把握するためには「モノ」を構成する結晶がどのような状態で存在しているかを把握することが非常に重要となる。電子線後方散乱回折 (EBSD) 法はこういった結晶質材料の結晶方位や粒子形状、サイズ、さらには歪み分布を解析することが可能である。  本講演では、EBSD法の基礎的な部分からセラミックス材料を用いた解析事例について解説する。

  1. 電子線後方散乱回折 (EBSD) 測定法の概要
    1. EBSD測定とは
    2. EBSD測定時の試料設定の注意点
    3. EBSD-EDS同時検出によるEBSD測定の弱点の克服
    4. EBSD測定から解析までの流れ
  2. EBSD測定に適した試料の準備
    1. 試料形状
    2. 試料調製法
    3. 帯電対策
  3. EBSD測定で得られる情報
    1. 結晶方位解析
    2. 結晶歪み解析
    3. Wilkinson高精度結晶歪み解析
  4. 解析事例
    1. セラミックス材料を用いた解析事例

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