本セミナーでは、生成AIについて取り上げ、生成したデータの評価について、具体的な活用事例を交えて詳解いたします。
(2023年11月9日 9:30〜10:50)
ネット環境の普及などとも相まって、公開される論文の件数も年々増加しています。また、論文のみならずネット上で公開される種々のテキストがxmlなど機械可読な形でも整備されるようになってきており、こうしたテキストデータの分析に期待が高まっています。ところで、論文等テキストを分析する場合、当然その「内容」について分析することが期待されますが、テキストの「内容」を分析するには「内容」を「理解」・「解釈」する必要がある場合も多いことからテキストの「内容」についての解析は難しい課題でした。そのため、例えば論文の分析と言った際にも中身そのものを分析する事例は多くはなく、書誌情報に着目した、「どんな文献を引用しているか」、「どんな文献からどののくらい引用されているか」、などの分析が主流でした。ところが昨今、自然言語処理を含む人工知能技術の発展により、「内容」に基づく分析などもある程度実現できるようになってきました。また、生成AIの登場によって、そうした分析がより簡単に実施できるような環境も整ってきたと考えられます。 本講座においては講師が関与・実施した人工知能関連技術を用いた文献・論文解析の具体的事例について紹介します。
(2023年11月9日 11:00〜13:10) ※途中50分の昼食休憩あり
ChatGPTなどの生成AIは極めて有用な利用がある一方、注意が必要な点も多々あります。有用な対象を理解して十分に使いこなすことが重要になります。 そこで、技術文書指導と技術発想法指導を担当してきた講師が、ChatGPT (一部New BingやBard) を使用する際の実務的な対応として、使用方法と注意点を述べます。そして、「開発テーマ創出やトラブル対策のための技術発想」および「提出できる技術文書」に利用するためのポイントをわかりやすくお伝えし、そのまま使える具体的な質問文案と、作成作業を進める手順を示します。
(2023年11月9日 13:20〜14:50)
本講演では、自然言語処理、生成AIの基礎から始め、研究現場での具体的な応用方法を紹介し、最新の生成AI技術の活用法までを解説します。 ChatGPTの登場を契機に、生成AIはAI技術の中で急速に注目を集める分野として進化しています。自然言語処理技術は、化学実験や材料開発など多岐にわたる領域で新たな可能性を開拓しています。従来、特許や文献の情報収集、文書の抽出、要約、分類などを中心に活用されていましたが、生成AIの進化により、これらのタスクの精度向上だけでなく、新しい化合物の提案や材料の特性予測など、高度な用途での利用事例が増えてきました。 プロンプトエンジニアリングは、ChatGPTを活用する際に、生成AIの能力を最大限に引き出すためのキーとなるテクニックです。適切な回答を見出すためには、効率の良い質問の仕方が求められます。ChatGPTは分野にも依存しますが、少なくとも大学教養並みの知識は有しているため、さらにプロンプトの一部に使用する知識や情報を組み込むことで、正しい推論の出力を得られる可能性が高まります。 さらに、生成AIの現場への導入方法も重要な要素です。ChatGPTだけでなく、多くのサービスやオープンソースモデルが登場しています。コストを考慮すると、従来の自然言語処理との組み合わせも有効です。生成AIを単なる「打ち出の小槌」と見なさないためには、その能力と限界を正確に理解することが必要です。技術の進化に伴い、適用範囲や制約も変わる可能性があるため、最新の情報を常に取得し、適切にアップデートすることが求められます。
(2023年11月9日 15:00〜16:30)
生成AIをいかに活用していくか?の議論が盛んです。その中で、生成AIの成果物を、さらにAIモデルの学習データとして活用していく方法に関しては、まだまだ未知数です。 この講座では、学習データとしての、生成AIの成果物の活用方法に関して、論点整理を行い、検討していきます。 一般的には、AIモデルを作成するための学習データは、現実世界で採取されたデータに対し、「特徴量エンジニアリング (前処理) 」と言われるデータ整理・加工を経て完成されます。この「特徴量エンジニアリング (前処理) 」は工数がかかり、ひとつのAIモデル構築のネックとなっていました。この過程が生成AIを活用することで、効率化できるとすれば、大きな武器となります。その方法を探ります
(2023年11月9日 16:40〜17:40)
生成AI技術の急速な進歩により、創薬においてもタンパク質、並びにリード化合物のデザインに生成AIが活用されている。最近発表されたRFdiffusionは、画像生成で大きな成功を収めた拡散モデルを基にタンパク質のデザインを可能とした手法である。また、リード化合物のデザインにおいては、GAN, VAE, RNN, RL等を基にした複数の手法が提案されている。現在では、生成AIでデザインされた化合物を化学合成、並びにバイオアッセイを行い、実際に強い阻害活性を持つことを示した研究成果が複数報告されている。また、創薬の現場においてもリード化合物の探索、最適化のための手段として利用されるに至っている。 本講座では、はじめに、生成AIによるタンパク質、並びにリード化合物のデザイン法について解説する。主に、RFdiffusionの利用方法、並びにファーマコフォアを指標とした生成AIによるキナーゼ阻害剤のデザインを事例として紹介する。次に、リード化合物の最適化で利用されている生成AIについて解説する。活用法として、DeepSARMによる共有結合型キナーゼ阻害剤のデザイン法について紹介する。最後に、生成AIを用いたSAR Transferについて解説する。SAR Transferは、活性の向上に伴う側鎖構造の変化の共通性を利用したリード化合物の最適化法である。事例として、MMP-1阻害剤の最適化について紹介する。本講座を通して、創薬における生成AIの具体的な活用のイメージを掴んでいただきたいと思います。
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