高分子結晶化のメカニズムと制御

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本セミナーでは、高次構造制御や結晶化速度制御を行うために、高分子結晶化のメカニズム、セルフ・ニュークリエーションを用いた新たな制御方法について分かりやすく解説いたします。

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プログラム

高強度、高弾性率プラスチック材料は多くの場合、結晶性高分子であるのでそのようなプラスチックを作製するにおいては高分子の結晶に対する理解は必要不可欠である。  「水が凍る」と高分子が結晶化するは基本的には同じなのであるが、高分子の結晶化は水の場合と異なり、単純には理解できないことが多い。高分子結晶化のメカニズムを正しく理解することは、その高次構造制御や結晶化速度制御を行うために必要である。  本講ではまず階層構造 (ヒエラルキー) をもつ高分子の結晶について概観する。そして理解するために必要なパラメーター (融点他) について議論したあと、核形成、球晶成長とその組み合わせによる結晶化について議論する。またその時現れるキャビテーションの成型加工に対する影響をみる。そして高分子の結晶化のメカニズムを調べるさまざまな測定方法について議論した後、最後にセルフ・ニュークリエーションを用いた新たな制御方法について提案する。またこれらの技術を用いた高分子の結晶化メカニズムに対する基本的な考え方について述べる。  講演の最後に高分子の結晶化のメカニズムと制御についての質問を受け付ける。

  1. 結晶性高分子
    1. 結晶とは?
      1. 結晶の定義
      2. 高分子の結晶
    2. 結晶性高分子の持つ階層構造 (ヒエラルキー)
      1. 高分子の一次構造と結晶化
      2. ナノオーダーの構造 (結晶格子)
      3. サブミクロンオーダーの構造 (ラメラ結晶、長周期)
      4. ミクロンオーダーの構造 (フィブリル、球晶)
      5. より大きな構造 (球晶の集合体、繊維、シシカバブ)
    3. 結晶を観察するのに必要な概念
      1. X線、光との相互作用
      2. 散乱法と顕微鏡法 (逆空間と実空間)
      3. 結晶の形 (結晶格子)
  2. 高分子の結晶を理解するのに重要なパラメータ
    1. 融点
    2. ガラス転移点
    3. 結晶成長速度
    4. 結晶化度
    5. 長周期・ラメラ厚
    6. モルフォロジー
    7. 配向度
  3. 高分子の結晶化過程のメカニズム (核形成と結晶成長)
    1. 核形成
      1. 一次核と二次核
      2. 核剤
    2. 球晶成長
      1. 球晶の構造
      2. 球晶の成長 (成長速度)
      3. 軸晶 (アクシャライト)
      4. トランスクリスタル
    3. 結晶化 (核形成と球晶成長の2ステップ)
      1. 核形成 (一次核形成) と球晶成長
      2. Avrami指数による解析
      3. 温度による変化
      4. 伸長場、せん断流動場による変化
    4. キャビテーション
      1. キャビテーションとは何か
      2. キャビテーションはなぜ起こるのか
      3. キャビテーションはどう結晶化に影響するのか
  4. 高分子の結晶化の測定方法と解析方法
    1. 光の透過度 (結晶化度)
    2. 広角X線回折 (結晶化度)
    3. 小角X線回折 (長周期、ラメラ厚、相関関数)
    4. 光散乱 (大きさと相関関数)
    5. 熱分析 (結晶化度)
    6. 顕微鏡観察 (モルフォロジー)
  5. 高分子の結晶化の制御への提案 (主にセルフ・ニュークリエーションを用いて)
    1. セルフ・ニュークリエーションとは
      1. セルフ・ニュークリエーション① (セルフシーディング)
      2. セルフ・ニュークリエーション② (部分融解再結晶化)
      3. セルフ・ニュークリエーション③ (新しい現象)
    2. 伸長場、せん断流動場の印加
    3. 材料改質のために
      1. 結晶成長メカニズムの制御のために
      2. さらに求める材料を開発するために
  6. 高分子の結晶化のメカニズムと制御に関する議論 (質疑応答を中心に)

会場

大阪市立中央会館
542-0082 大阪府 大阪市 中央区島之内2丁目12-31
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