本セミナーでは、ITOを中心とした透明導電膜について基礎から解説し、代替材料であるZnO系透明導電膜、太陽電池用透明導電膜、新規成膜技術・材料について解説いたします。
大震災による原発事故を契機に世界的規模で脱原発を視野に入れたエネルギーシフト構想が急浮上し、従前より課題となっていた地球規模での環境問題、地球温暖化ガスのCO2排出削減問題が益々深刻になってきた。さらには世界的規模の経済危機が勃発しエネルギー・環境問題への関心が一層高まり、グリーンエネルギーの開発、特にエネルギーペイバックタイムに優れた薄膜太陽電池の研究開発は活況を呈してきている。 これらの薄膜太陽電池には、透明電極として大型フラットパネルディスプレイおよびタッチパネルなどに使われている透明導電膜が不可欠な存在となっている。この透明導電膜としてITOなどが使われるが、ITOでは主原料であるレアメタルのインジウムが需要拡大に伴う枯渇・価格高騰、原産国の偏在化による安定供給への不安、さらには毒性の問題も明らかとなり代替材料の開発が急がれている。代替可能な材料は、現時点ではZnO系透明導電膜が最有力候補である。 本セミナーでは、まずITOを中心とした透明導電膜を概観し代替材料であるZnO系透明導電膜の詳細について、さらには太陽電池用透明導電膜を視野に入れ新規な成膜技術・材料について講演する。ZnO系透明導電膜の実用化を視野に入れた透明導電膜関連産業のスタンスとしては、ITOからZnO系への技術移転は既存設備が流用できるため、新たな設備投資を必要としないグリーンエネルギー関連産業への新規参入が可能となり、ITOの成膜技術を持つ企業にとっては将来有望なビジネスチャンスに繋がると確信している。