車載太陽電池システムの研究開発動向と展望

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第1部 太陽電池の車載応用に向けた最近の動向

(2023年9月27日 10:30〜12:00)

 太陽電池搭載自動車は、電気自動車より大幅なCO2削減効果が期待できる。効率35%以上の太陽電池モジュールを実現することにより、平均日射条件下で、一日30km以上の走行が可能で、わが国の乗用車の一日の平均走行距離24kmを超える。トヨタ自動車および日産自動車の太陽電池搭載自動車の走行試験結果をまじえて、太陽電池搭載自動車のインパクトおよび車載用高効率太陽電池の研究開発状況を報告する。  輸送分野のCO2排出量は、約20%で、乗用車が半分を占める。CO2削減が期待できる電気自動車は、km走行当たり約60gのCO2を排出し、クリーンとは言えない。太陽電池搭載により、60%以上のCO2削減が期待できる。講演では、太陽電池搭載自動車によるCO2削減効果に加え、充電コスト削減効果についても言及する。効率35%以上の太陽電池モジュールを実現することにより、平均日射条件下で、一日30km以上の走行が可能で、わが国の乗用車の一日の平均走行距離24kmを超え、乗用車のほとんどのドライバーが満足すると考えている。トヨタ自動車および日産自動車の太陽電池搭載自動車の走行試験結果をまじえて、太陽電池搭載自動車のインパクトおよび車載用高効率太陽電池、特に、ペロブスカイトを含むSiタンデム太陽電池の研究開発状況を紹介する。

  1. 太陽電池搭載自動車の必要性
    1. CO2削減効果
    2. 太陽電池搭載自動車の開発動向
  2. 車載用として高効率太陽電池のインパクト
    1. CO2削減効果
    2. 充電コスト削減稿
    3. 走行距離の延長効果
  3. トヨタ自動車、日産自動車の太陽電池搭載自動車の走行試験の概要
    1. 走行距離の概要
    2. CO2削減効果の概要
    3. 課題
  4. 車載用高効率太陽電池の研究開発状況
    1. 高効率化、低コスト化の必要性
    2. Siタンデム太陽電池の高効率化
    3. 車載用太陽電池の温度上昇
    4. 部分日影に強い太陽電池モジュルの開発
  5. 今後の展望
    1. 市場規模
    2. 課題
    3. 今後の展開

第2部 車載用高効率太陽電池の開発及び走行時における発電量評価

(2023年9月27日 13:00〜14:30)

 電気自動車などに直接取り付けられた車載用太陽電池は、刻一刻と変化する周辺建物の影響を受ける。本講座では、車両に搭載した太陽電池の走行時の発電電力について述べる。太陽電池や日射計を車両に取り付け、実際の走行条件における発電量評価を実施している。魚眼画像などの従来の太陽電池評価では使わなかったツールを使い太陽電池評価、特に走行時の発電量評価について述べる。

  1. 従来の太陽電池と車載用太陽電池の違い
    1. 設置環境
    2. 形状の違い
  2. 走行中車両が受ける日射量について
    1. 日射量測定装置について
    2. 日射量測定結果と影の影響について
  3. 車両に搭載した太陽電池の発電量評価
    1. パフォーマンスレシオについて
    2. 走行環境による発電特性の違い
  4. 車両形状 (曲面形状) の影響
    1. 曲面補正係数
  5. 魚眼画像による建物分析
    1. 天空開口率
    2. 建物高さ分布
  6. 車載用太陽電池の発電量モデルとその応用
    1. 発電量マップ

第3部 PV搭載EVの普及に向けた取り組み

(2023年9月27日 14:45〜16:15)

 「運輸部門の脱炭素化」および「再エネ (太陽光発電) の更なる活用」という世の中の要請において、PV搭載EVは検討すべきターゲットである。  本講座では、国内外におけるPV搭載EVに関する研究開発動向や各種取り組みを俯瞰し、普及に向けた課題を整理するとともに、講演者らが中心となって行っている実証研究事例を紹介する。

  1. 車載太陽光発電の可能性
    1. 社会ニーズ
      • 運輸部門の脱炭素化
      • 太陽光発電の更なる活用
    2. PV搭載EVの特徴
    3. 普及に向けた課題
  2. 研究開発動向
    1. 海外の動向
    2. 国内の動向
  3. 実証研究事例
    1. 車体の開発
    2. 様々なユースケースにおけるデータ取得・ポテンシャル分析
    3. 車載PVの日射・発電電力量推定技術の開発
    4. 今後の展開

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