第1部 高熱伝導窒化ケイ素を用いたメタライズ基板の信頼性、放熱性の評価
(2023年9月22日 10:30〜12:00)
パワーモジュールの高出力密度化に伴い、素子の発熱量と発熱密度は年々高くなり、放熱技術は極めて重要なものとなってきました。特に回路形成に加えて放熱と絶縁を担うセラミックメタライズ基板はデバイスの安定動作を保証するためにその重要性はますます高まっています。メタライズ基板を構成する金属とセラミックスの熱膨張係数は大きく異なり、製造時さらには使用時の環境温度の変化により大きな熱応力を受けるため、優れた機械特性と高熱伝導を兼ね備えた窒化ケイ素が注目されてきました。
本講演では、窒化ケイ素の高熱伝導化プロセスの発展について述べるとともに、メタライズ基板としての信頼性並びに放熱性の評価方法について実験結果を交えて紹介します。
- 高熱伝導窒化ケイ素はなぜ注目されているか
- パワーモジュール用放熱基板としての高熱伝導セラミックスの位置づけ
- 高熱伝導セラミックスの熱的・機械的特性
- 窒化ケイ素の高熱伝導化プロセスの発展
- メタライズ基板としての課題
- メタライズ基板の信頼性評価
- セラミック基板の機械特性評価
- メタライズ基板の温度サイクル試験
- 各種高熱伝導セラミックスの諸特性と耐温度サイクル性の関係
- メタライズ基板の放熱性評価
- パワーモジュールの構造と放熱
- 実装状態でのメタライズ基板の熱抵抗測定
- 実装状態でのメタライズ基板の面内方向の熱伝達特性評価
- 今後の課題
第2部 パワーデバイス応用に向けたダイヤモンドと異種材料の直接接合技術の研究開発
(2023年9月22日 13:00〜14:30)
GaNを使用した高周波・高出力パワーデバイスへの応用研究が進んでいる中、発熱による温度上昇が性能の低下と寿命の短縮といった課題を引き起こしている。高性能かつ高信頼性のデバイスを実現するためには、発熱問題の解決が重要である。この課題に対処するため、最高熱伝導率を持つダイヤモンドを放熱基板として活用することで、放熱問題の解決に挑戦している。
Si基板から剥離した3C-SiC/GaN/AlGaN層をダイヤモンド基板へ転写し、GaNトランジスタを作製した。ダイヤモンド上に作製したトランジスタは、SiとSiC上に作製した同じ形状のトランジスタと比べて、2倍以上の放熱特性の向上を実現した。ダイヤモンド/3C-SiC/GaN/AlGaN接合試料は1100°Cほどの高温耐熱性を有することが実証された。ダイヤモンド/3C-SiC接合界面の熱抵抗が低い値を示した。これらにより、動作時に発生した熱を効率的に放熱したことで、トランジスタの温度上昇を抑制することに成功した。
更に、大面積ダイヤモンド基板への転写や接合試料の実用化が可能となり、高効率かつ高信頼性のデバイスの実現に大きな貢献が期待される。
- ダイヤモンド基板に接合した炭化ケイ素 (3C-SiC) /窒化ガリウム (GaN) /アルミ窒化ガリウム (AlGaN) 層上にトランジスタの作製に成功。
- ダイヤモンド基板上に作製したトランジスタがSiとSiC基板上に作製した同一形状のトランジスタより優れた放熱特性を有することを実証。
- 高品質・高熱伝導率3C-SiCバッファ層の採用で、低熱抵抗・高耐熱性ダイヤモンド/3C-SiC接合界面を実現
- AlGaN/GaN/3C-SiC層が大面積ダイヤモンド基板の接合に成功し、社会実装を加速
第3部 次世代パワー半導体に求めるAg焼結接合の適用事例と構造信頼性評価
(2023年9月22日 14:40〜16:10)
SiCやGaNなどのワイドバンドギャップ (WBG) 半導体材料を利用し、省エネ高効率化と小型軽量化の双方を兼ね備えるパワーデバイスの実現には、実装の長期信頼性構築が不可欠である。そのため、WBGパワーデバイスが曝される200°C〜300°Cの高温度領域でも動作保証する放熱材料、構造、冷却技術の革新的な技術の開発と信頼性評価が必要となる。
この講座では高耐熱と高熱伝導率の焼結Agペーストを紹介し、異なる異種材との接合の特徴、またそれによる接合構造の新展開、構造信頼性結果をわかりやすく、かつ丁寧に解説する。
- WBGパワー半導体
- WBGパワー半導体の特徴
- WBGパワーモジュールの構造および開発動向
- 高温向けに求める実装技術
- 鉛フリーはんだと固液相接合
- 金属粒子焼結接合
- 銀粒子焼結接合技術と異種材界面の接合
- 銀粒子焼結接合技術の特徴
- 新型ミクロンサイズ銀粒子の低温焼結
- 異種材界面接合とメカニズム
- 高放熱パワーモジュール構造の開発
- オール銀焼結接合の放熱性能評価
- 銀焼結の信頼性評価と劣化特性
- 今後の課題
複数名同時受講割引について
- 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 50,000円(税別) / 55,000円(税込) で受講いただけます。
- 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 55,000円(税別) / 60,500円(税込)
- 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 100,000円(税別) / 110,000円(税込)
- 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 150,000円(税別) / 165,000円(税込)
- 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
- 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
- 他の割引は併用できません。
アカデミック割引
- 1名様あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込)
日本国内に所在しており、以下に該当する方は、アカデミック割引が適用いただけます。
- 学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院、短期大学、附属病院、高等専門学校および各種学校の教員、生徒
- 病院などの医療機関・医療関連機関に勤務する医療従事者
- 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
- 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方
- 支払名義が企業の場合は対象外とさせていただきます。
- 企業に属し、大学、公的機関に派遣または出向されている方は対象外とさせていただきます。
ライブ配信セミナーについて
- 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
- お申し込み前に、 視聴環境 と テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
- 開催日前に、接続先URL、ミーティングID、パスワードを別途ご連絡いたします。
- セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
- ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
- タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
- ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
- 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
- Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。