商用サービスが開始された高速無線通信:5Gに続く技術開発ロードマップには、2030年に次世代6G、2040年に次々世代7Gがそれぞれ位置づけられており、いよいよテラヘルツ周波数帯がメインストリームとなる時代が到来します。しかしながら、このテラヘルツ領域は、従来のトランジスタを中心とする電子デバイスも、レーザーダイオードを中心とするフォトニックデバイスも本質的な物理限界を来すことから「テラヘルツギャップ」として開拓が困難な技術障壁が認識されています。このテラヘルツ領域で、小型・集積化可能かつ低消費電力な光源・信号処理デバイスを実現するための新材料・新原理を中心とする研究開発が多方面で精力的に進められています。
本セミナーでは、テラヘルツギャップ克服に最も有効な新材料の一つとして知られるグラフェンに焦点を当て、最先端研究開発状況について、要素技術をわかりやすく紹介するとともに、現状・課題・今後の展望について述べます。
- 第1部 序章
- 社会を取り巻く動向・技術的背景
- 超スマート社会実現へ向けた動向
- 第2部 半導体光電子物性の基礎
- 半導体物性の基礎 (電気的特性)
- 半導体物性の基礎 (光学的特性)
- 半導体物性の基礎 (プラズモンとは)
- 第3部 グラフェンの特異物性とグラフェンプラズモンの物理
- グラフェンの製法と評価法の基礎
- グラフェンの光電子物性の基礎
- グラフェンプラズモンの基礎物性
- 第4部 グラフェンプラズモンのテラヘルツ機能応用
- グラフェンを利得媒質とするテラヘルツレーザートランジスタ
- グラフェンプラズモンの巨大利得増強作用
- グラフェンプラズモニックメタマテリアルのテラヘルツディテクタ応用
- 第5部 今後の展望
- グラフェンプラズモニックテラヘルツデバイスの到達点とベンチマーク
- 二次元原子薄膜ヘテロ接合材料によるテラヘルツプラズモニックメタマテリアルの新潮流
- 今後の展望
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