承認申請×RWD活用

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今般の次世代医療基盤法改正は創薬をはじめとした民間企業におけるRWD (リアル・ワールド・データ、医療現場由来のデータ) 活用の活性化が狙いとも言えます。企業のR&D部門所属の人たちはこうした医療現場由来の“癖のある”データに関わった経験がほとんどない人も多いのではないでしょうか。そもそもRWDは承認申請業務のどこに利用可能なのか、また私たちはスキルとして何が不足しており、2024年4月ともいえるその施行開始までにどのような準備をしたらいいのか考える機会として本講演を企画致しました。  RWDは具体的に承認申請のどの部分に利用可能であるのか、国内外の実例とともに概観します。そのうえで種々のバイアスへの対処やデータ・バリデーションなど、無作為化臨床試験ではほぼ要求されない観察研究一般の課題を概観します。特に適応の交絡、つまり軽症の人に処方されがちな医薬品と重症の人に処方されがちな医薬品とをフェアに比較するための統計スキルはハードルが高く、この補正に用いられるところのロジスティック回帰分析や傾向スコア法についてはその「何ぞや」に訴求し、実際にプログラムを作成することはしないまでも、その方法論のロジックについて学ぶ機会にしたいと思います。

  1. 参考情報としての活用
    • 被験者リクルートでの活用
    • 海外における臨床成績
    • 既に別の適応症がある場合の、国内における安全性に関する成績
      ※実例を概観する〜審査報告書に記載のある「参考情報」としてのRWD活用〜
  2. 外部対照としての活用
    ※実例を概観する〜海外事例より〜
  3. eSourceとしての活用
    • 承認申請に限定されない、臨床研究の“エコ”としてのRWD活用
    • フリーワードからの情報の掘り起こし
    • リモート技術と情報収集〜PHR、DCT〜
      ※実例を概観する〜疾患レジストリの利用〜
  4. 無作為化臨床試験の代替としての活用
    • 介入研究と観察研究との違いを乗り越えて
    • 倫理の視点
    • 背景補正方法論としての傾向スコア法
    • 傾向スコア法を用いるうえで必須となるロジスティック回帰分析
    • ロジスティック回帰分析を理解するうえで必須となる多変量解析
    • 多変量解析を理解するうえで必須となる分散分析
    • 観察研究にはない、RWD活用特有の留意点について
    • 様々なバイアスとその対処
    • New User定義
    • 後付け解析、と批判されないための流儀
    • RECORD声明
      ※実例を概観する〜FDAにおける「RWD研究だけでの承認」〜
  5. 一般化可能性の補完としての活用
    • “宿題回答”は承認前?承認後?
    • プラグマティック・トライアルへの活用
    • 発売後の経時観察
    • 疾患レジストリの活用
      ※実例を概観する〜プラグマティック・トライアル〜
  6. 薬剤経済学での活用
    • NDBと他DBとのリンクがもたらすもの
    • 病態変化の予測確率とHTA
    • 実現可能性が高まる“適正価格”の算出
      ※実例を概観する〜国内におけるHTA研究例〜
  7. レギュラトリーが要求する品質への対応
    • 日本の規制当局が求めるRWDの品質レベル
      ※実例を概観する〜国内におけるバリデーション・スタディ〜
  8. 制度の更新と残された課題
    • 次世代医療基盤法の改正
    • データ標準化の課題
    • 同意取得に関する“混乱”
    • ゲノム情報の活用、夜明け前
    • EHDSと海外の規制状況

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