金属の電気抵抗は試料の長さに比例し断面積に反比例する。その時の比例定数が抵抗率と定義されている。従来はこの定義に則って、柱状の試料を作りその断面に対して一定電流を流し、別途作成した電圧電極間の電位勾配を測り、オームの法則から抵抗値を求めた。更に、上記の定義に基づき抵抗率を算出していた (4端子法) 。
そもそも抵抗率の定義が導かれた時代には、測定対象試料 (=材料) は金属が中心で均一組成と考えられていた。しかし、現在では材料技術は飛躍的に進歩し、金属、プラスチック、セラミックスのみならず、それらを複合した材料 (バルク体) や薄膜材料が日々開発されている。特に、電子材料の分野では、スマートフォンなどモバイル端末の発展や自動車の電動化に伴い、リチウムイオン電池やプリンテッドエレクトロニクス材料など、急速な進歩を遂げている。
まず、研究開発者にとっては抵抗率を正しく測る事が重要であり、更にその次に各種材料の特性に合わせた測定方法やデータの解釈が必要となってきた。
本セミナーでは、基本的な測定方法について解説し、材料に合わせた応用例についても説明する。近年、世界中で注目されているEV用リチウムイオン電池の電極材料 (とくに正極材) 粉体の抵抗率測定についても紹介する。
- 抵抗と抵抗率
- 低抵抗領域の測定
- テスターで測ると何故不安定なのか?
- 4端子法と2端子法
- 接触抵抗とは?
- 4探針法とは?
- 4探針法と4端子法の違い
- シリコンウエハの抵抗率測定
- 表面抵抗率と体積抵抗率の使い分け
- 傷が付き易い試料の測り方
- 低抵抗薄膜の抵抗率測定
- 黒鉛バルク材の体積抵抗率測定
- 高抵抗領域の測定
- 2重リング法とは?
- 表面抵抗率と体積抵抗率の測り方は違うのか?
- JIS K6911とは?
- ガード電極は必要か?
- 温度や湿度で抵抗値が変わるのか?
- 印加電圧や測定時間はどのように決めるのか?
- 高抵抗薄膜の測定
- 中間領域の試料は定電流印加法と定電圧印加法のどちらで測るか?
- フィルムの厚み方向の測定
- 高温や低温下での低抵抗測定は?
- 粉体の抵抗はどうやって測るか?
会場受講の複数名受講割引
- 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 22,500円(税別) / 24,750円(税込) で受講いただけます。
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アカデミー割引
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