量子アニーリング入門

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本セミナーにおいては、量子及び古典アニーリングの基礎理論から最先端トピックスまで、可能な限りわかりやすく正確に解説を行います。
さらに、科学的エビデンスに基づいて、公正・中立な立場で、量子アニーリングの古典コンピュータ及び古典アニーリングに対する優位性の有無、問題点・限界、最適化問題ソルバとしての位置付けについても解説いたします。

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量子アニーリングとは、量子揺らぎを制御することで組合せ最適化問題の近似解を求める手法です。2011年にカナダのベンチャー企業D-Wave Systems社が超伝導量子アニーリングマシンを商用化して以来、量子アニーリングマシンのハードウェアやビジネス利用に向けた研究開発が著しく進展してきました。それに対し、古典物理学の原理に基づいた古典アニーリングマシンハードウェアの開発が日立、富士通、東芝、NEC等で進められています。加えて、エンドユーザーが様々な量子及び古典アニーリングマシンにアクセスできるクラウドサービスもFixstars、AWS、Microsoft等から提供されるようになってきました。そのため、 (20〜30年の長期的研究開発が必要な) 量子コンピュータよりも早期に社会実装可能な量子技術として量子アニーリングに産業界から大きな期待が寄せられています。  その一方で、「そもそも量子アニーリングは古典コンピュータや古典アニーリングに比べて理論的に高速なのか?」、「D-Waveの量子アニーリングマシンは量子性をどこまで使っているのか?」といった疑問や批判も出おり、これらは未解決問題となっています。また、古典シミュレーテッドアニーリングやその亜種に基づく古典アニーリングマシンを「量子コンピュータ」、「疑似量子コンピュータ」、「疑似量子アニーリングマシン」と記述している不正確な宣伝や記事も散見されます。  本セミナーにおいては、量子及び古典アニーリングの基礎理論から最先端トピックスまで、非専門家向けに可能な限りわかりやすく正確に解説を行います。さらに、科学的エビデンスに基づいて、公正・中立な立場で、量子アニーリングの古典コンピュータ及び古典アニーリングに対する優位性の有無、問題点・限界、最適化問題ソルバとしての位置付けについても解説します。

  1. 量子アニーリング入門
    1. 言葉の定義:「量子コンピュータ」と「量子アニーリング」の違い
    2. 組合せ最適化問題
    3. 巡回セールスマン問題
    4. イジング模型
    5. 問題のマッピング
    6. シミュレーテッドアニーリングと量子アニーリング
    7. 量子アニーリングの原理
    8. 量子アニーリングの歴史
    9. D-Wave Systems
    10. ノーフリーランチ定理の呪縛
    11. 論争・批判:量子アニーリングは理論的に高速な計算手法なの?
    12. 論争・批判:D-Waveマシンは早いの?量子効果を使っているの?
    13. 論争・批判:シミュレーテッドアニーリングは「疑似量子」ではない
  2. 量子及び古典アニーリングマシンハードウェア
    1. D-Wave Systemsの量子アニーリングマシ
    2. D-Wave Systems社以外の量子アニーリングマシ
    3. 古典アニーリングマシン (シミュレーテッドアニーリングに基づく古典アニーリングマシン)
    4. 疑似量子アニーリングマシン (量子分岐マシンにインスパイアされたシミュレーテッド分岐マシンなど)
    5. 世界の研究開発プロジェクト (DARPA、AvaQusなど)
  3. アニーリングマシンクラウド
    1. D-Wave Systems社のLEAP2
    2. 日立のAnnealing Cloud
    3. FixstarsのFixstars Amplify
    4. JijのJij Zept
    5. 他のクラウド (Amazon Braket, Microsoft Azureなど)
  4. アニーリングのビジネス適応に向けた取り組み事例
    1. 実ビジネスへの応用
    2. 事例:広告配信
    3. 事例:交通流最適化
    4. 事例:避難経路探索
    5. 事例:工場内搬送車配送
    6. 事例:材料設計
  5. 課題と展望
    1. 課題
    2. 量子技術イノベーション戦略「量子未来社会ビジョン」
    3. 展望
    4. 最後に:量子アニーリングの最適化ソルバとしての位置付け

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