第1部 研究開発の見える化による失敗の隠蔽、データ改竄への対応
(2023年9月12日 10:30〜12:00)
昨今、研究開発活動は業界を問わず、商品化までの期間が以前より短くなってきており、この変化についていくために、とにかくスピードが命となり、従来のやり方の見直しを迫られている。一方、研究開発担当者に目を向けると、社内で厳格に設定されたノルマ達成、納期遵守などの強烈なプレッシャーにより、大きなストレスを受ける機会が多くなった。ここでこの急激な外部環境変化についていけない者が、研究者としての純粋な技術の追求よりも、会社からの命令 (ノルマ達成) が第一優先だと思ってしまうと、自身の研究開発活動をブラックボックス化したり、データを改竄したりする動機が働いてしまう可能性は否定できない。
このような背景や自身の経験を踏まえ、ここでは一般的な研究開発型企業において、業務を遂行していく上で重要な要素を紹介しながら、いかに失敗の隠蔽やデータ改竄等の不正行為を防ぐかについて触れてみたい。
- あるべき研究開発のしくみ
- 研究開発テーマの設定
- 研究開発テーマの進捗に関する課題
- 研究開発テーマの進捗管理
- ステージゲート法について
- ステージゲートの法メリット
- ステージゲート法にて設定される判断基準の具体例
- 研究開発活動の見える化に必要な要素
- 失敗の隠蔽やデータの改竄など不正が生まれる背景
- 上司に対する不満、価値観のずれ
- ノルマ達成や過度な競争環境下における焦り
- 強すぎる上昇志向、出世欲
- 失敗の隠蔽やデータの改竄など正を防止するための対策
- 研究開発実験ノートの導入
- 1テーマ2名・一人2テーマ体制
- 定期的な進捗報告の場を設ける
- 社外への情報発信
- 社員教育
- 不正防止のために必要な対策の全体像
- 研究開発テーマが経営ビジョンに合致しているか?
- 研究開発活動の進捗管理と見える化
- 中長期視点に立った人材育成も重要
第2部 事実を大切にする研究開発風土・文化の醸成
(2023年9月12日 13:00〜14:30)
2017年以降、捏造 (ねつぞう) ・隠蔽 (いんぺい) ・改竄 (かいざん) ・品質不正などが頻発し、大きな問題となっている。産官学においては、これらを撲滅するための施策が急がれている。しかしながら、精神論や従来の管理による対策、すなわち、品質意識の徹底と再教育、監視強化、品質保証体制の再構築、データの見える化、不正者を特定できるシステム構築などでは効果は限定的である。むしろ、これらが起こらない風土・文化を醸成していくという対応こそが必要である。
本講演では、研究開発現場にスポットを当て、「事実を大切にする研究開発風土・文化の醸成」について述べるが、企業の業務全般に共通する部分も多いので、研究開発業務以外でも参考になる。
- はじめに
- 企業風土・文化
- インフラストラクチュアの面
- 人の面
- 風土・文化の改革とマネジメント
- 望ましい研究開発現場の風土、文化を醸成するためのポイント
- リーダの心得
- ケーススタディ
- ケーススタディ その1
- ケーススタディ その2
- 関連事項
- 研究開発への実験計画法の活用
- まとめ
第3部 研究開発 (R&D) データ不正を防ぐ制度と発生しにくい組織風土の作り方
(2023年9月12日 14:45〜16:15)
研究開発 (R&D) にとって、R&Dで得られたデータは命であり、データなくしてR&Dはないと言っても過言ではない。従って、良いデータを得るために、一生懸命にR&Dに取り組むが、R&Dには失敗がつきもので、中々、思い描くようなデータは得られない。これはR&Dの本質であり、決して悪いことではないが、思ったようなデータがでないことが続くと、数値ばかりが気になり、本来の目的を見失う可能性が出てくる。そうなるとR&Dデータ不正に繋がる可能性が出てくる。そして、R&D不正を周囲が見逃すと、不正データが論文投稿や対外発表として世の中に出てしまい、組織としても取り返しがつかないことになる可能性もある。
本稿では、R&Dデータ不正を防ぐ制度作りと発生しにくい組織風土の作り方について、数値的な判断はせず、その考え方について持論を述べたい。
- 企業におけるR&Dの本質と宿命
- R&Dと企業の成長戦略
- R&Dデータ不正を防ぐ制度
- 倫理委員会設置制度
- R&Dデータ公開制度
- R&D貢献度明確化制度
- 研究者の教育・訓練制度
- 報告窓口設置制度
- R&D不正が発生しにくい組織風土の作り方
- PJ形式でのR&D運営
- チームワーク第一主義
- メンバーへの寄り添い
- リーダーの資質重視
- 責任を持つ重要性
- R&D不正が発生しにくい組織風土の作り方
- マネジメントの重要性
- 将来構想教育の実施
- 経営層の役割
- まとめ
複数名同時受講割引について
- 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 50,000円(税別) / 55,000円(税込) で受講いただけます。
- 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 55,000円(税別) / 60,500円(税込)
- 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 100,000円(税別) / 110,000円(税込)
- 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 150,000円(税別) / 165,000円(税込)
- 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
- 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
- 他の割引は併用できません。
アカデミック割引
- 1名様あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込)
日本国内に所在しており、以下に該当する方は、アカデミック割引が適用いただけます。
- 学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院、短期大学、附属病院、高等専門学校および各種学校の教員、生徒
- 病院などの医療機関・医療関連機関に勤務する医療従事者
- 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
- 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方
- 支払名義が企業の場合は対象外とさせていただきます。
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