第1部 経営に資する知財活動の進め方と知財コストの考え方、削減方法
(2023年9月5日 10:00〜11:30)
知財活動と経営との関係は長年の課題であるが、コーポレートガバナンス・コードが改訂されたことを契機に、改めて注目を集めている。目指すところは、知財によって競争力を確保・維持・強化する経営手法、いわゆる知財経営の実践であると思われる。他方、知財は取得や維持に多くの費用が必要であることから、適切な知財コストついても重要な観点である。
本講演では知財経営の実践に向けての課題である、経営と知財のコミュニケーション、互いに共有すべき情報、などに触れたうえで、知財部門の取るべき活動について述べる。さらに、社内外それぞれの視点で「適切」な知財コストとは何か、守るべきものは何か、を考えたうえで、権利維持判断に必要な観点や検討手法の例を説明し、コストダウンの対応例についても触れたい。
- 経営に資する知財活動
- なぜ今「経営に資する知財活動」なのか
- 知財経営とは
- 経営が知財部門に求めるもの
- 目指すべきゴール
- 知財部門の課題とジレンマ
- 知財部門の取るべき活動
- 知財コスト
- 知財の価値と、知財の取得・維持に必要なコスト
- 適正な知財コストとは
- コストダウンが求められた場合の対応
- 権利維持放棄の判断例
- 求められる対応
- まとめ
第2部 知財ポートフォリオ管理と権利活用のCカーブ
(2023年9月5日 12:15〜13:45)
知財を有効活用するための管理の原則を知れば、権利の棚卸における維持、放棄や、知財コストの妥当性について、ロジカルに判断できるようになる。これらの考え方は、知財経営についての開示が義務付けられている昨今において、効果的な知財投資が行われていることを示すために役に立つ。
本講義ではまず、維持年金サイクルを踏まえた保有特許件数のプロファイル管理について学ぶ。そして、知財をポートフォリオ (権利の束) として捉えた上で、戦略的に活用する方法論に触れ、それを前提とした、特許ステータスマップの活用とCカーブに沿ったマネジメントを紹介する。
- 講師紹介
- セイコーエプソン会社紹介
- セイコーエプソン知財部門の歴史
- 保有件数モデル
- 知財の入出庫管理と保有特許の規模感
- 維持年金サイクルを考慮したプロファイル設計
- 維持/放棄の一般的な考え方と課題
- 特許の価値評価
- 戦略的視点からの位置づけ
- 特許ポートフォリオの考え方
- セイコーエプソンのBP活動
- 競争に勝つための特許分布設計
- 特許ステータスマップによる知財管理
- 技術開発の流れと特許の活用
- 特許ステータスマップと各区分の説明
- プロダクトライフサイクルと知財活動
- BP活動、OI活動、他社特許対策
- 権利活用のCカーブ
- 知財活動計画と予算管理
- 経営視点からの知財管理
- 知財戦略から知財計画への流れ
第3部 知財投資対効果の考え方、将来を見据えたポートフォリオ設計
(2023年9月5日 14:00〜15:30)
地に足ついた”知財経営”とするには、知財投資の費用対効果が経営トップ・事業部門、更には投資家に理解され支持されるものでなくてはならない。事業の発展と将来持続性に確からしく寄与する知財投資 (不要知財の廃棄含む) が何かのコンセンサス造りは企業知財マネジメントの中核そのものであり、事業全体の把握と洞察、如何に知財リソースが事業価値に転換されているかの可視化と仮説構築がその基本となる。
ここで変えてはいけない原理原則がある一方、DX化・サステナブル化が進む産業構造の変化に対応して変えていかねばならないものもある。実際の企業知財マネジメント現場での実例をベースに、知財経営に向けた体質強化についてもご紹介したい。
- ブリヂストンの経営戦略変革
- DX・サステナブルがもたらす事業環境変化
- 事業モデル変革コンセプト
- モノ・コト・DX 各ステージでの事業具体例
- 知財投資・ポートフォリオ管理の基本的考え方
- 事業全体の把握/洞察 (価値変換メカニズムを掴む)
- 知財機能と事業部間での信頼関係・コンセンサス構築
- 変えちゃいけない原理原則と変えていくべきところ
- 「攻めと守り」「直近と将来」の両視点での知財投資マネジメント
- 戦略的投資領域への投資
- リスクコントロール領域への投資
- 将来への種蒔き投資
- 知財投資マネジメントの検証
- 投資対効果の可視化
- 結果系KPIと要因系KPI
- 現場からの効果フィードバック
- 投資対効果を上げる基盤づくり
- 知財機能及び全社での人材育成
- 社外への発信力 (CGC/統合報告書)
- 付録:ポートフォリオ管理の方法論
- 早期警戒システムの導入・活用
- IPL活用の実例
第4部 海外特許における適切な知財コストの評価と権利維持、放棄の考え方
(2023年9月5日 15:45〜17:15)
経済のグローバル化により、国内特許のみならず海外特許の取得の必要性がますます高まっていますが、海外特許の取得・維持には高額な費用が掛るため、特許を取得する国の選別、既に出願された特許の維持費用の適正化を図る必要があります。
そこで、本講演では適切な知財コストの評価と、海外特許の権利取得、権利維持、権利放棄の考え方、評価手法を解説します。
- 知財コストの考え方
- 知財コストとは?
- 知財費用はコストなのか?
- 知財価値の評価方法
- 知財費用の予測と分析
- 適切な権利維持、権利放棄の考え方
- 出願国選定のための評価
- 海外保有特許の要否選別のタイミング
- 審査請求期限
- 拒絶理由通知の対応期限
- 査定時 (特許査定又は拒絶査定)
- 登録維持年金の支払期限
- 出願ルートの選定
- 特許協力条約 (PCT) を利用した特許出願
- 欧州における特許出願
- 海外保有特許の要否選別の考え方
- 特許保有者による自己実施等
- 特許保有者の顧客による実施等
- 競合企業による実施等
- その他
- 評価手法
複数名同時受講割引について
- 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 55,000円(税別) / 60,500円(税込) で受講いただけます。
- 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 60,000円(税別) / 66,000円(税込)
- 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 110,000円(税別) / 121,000円(税込)
- 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 165,000円(税別) / 181,500円(税込)
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- 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
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アカデミック割引
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日本国内に所在しており、以下に該当する方は、アカデミック割引が適用いただけます。
- 学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院、短期大学、附属病院、高等専門学校および各種学校の教員、生徒
- 病院などの医療機関・医療関連機関に勤務する医療従事者
- 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
- 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方
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