第1部 自己修復高分子材料の修復機構と新たな応用展開
(2012年5月23日 10:00~11:30)
高分子材料の原子・分子レベルの損傷として、主鎖の切断、主鎖間の架橋の切断があり、マクロレベルではクラックの発生と成長がある。これらに対する自己修復機構を解説する。これらの自己修復機構は、高分子材料の劣化・損傷の修復だけでなく、自己修復コーティングの開発やリサイクル化などの指針となる。
- 高分子材料の損傷・劣化
- 高分子材料に損傷・劣化をもたらす要因
- 高分子材料のミクロからマクロの損傷・劣化
- 高分子材料の自己修復機構
- 主鎖切断の自己修復
- 主鎖間の架橋切断の修復
- マイクロクラックの修復剤内包カプセルによる自己修復
- マイクロクラックの修復剤内包ファイバーによる自己修復
- 自己修復効果の計測・評価
- 自己修復高分子材料の応用
- 高分子材料の架橋修復によるリサイクル化
- 修復剤内包カプセルによる自己修復のコーティングへの応用
- 紫外線架橋結合による自己修復コーティング
- 自己修復高分子材料の課題と今後の期待される展開
- 自己修復高分子材料の課題、コスト、修復対象など
- 新たな分野の開拓、生体材料、CFRP、コアシステムのコア材料など
第2部 自己修復性防食コーティングの特性と応用展開
(2012年5月23日 12:10~13:40)
金属材料の腐食を防止する方法にコーティング処理があり、欠陥が生じた場合に新たな防食皮膜が自然に形成する自己修復性が有効である。各種の高分子材料、ナノ粒子、pH感受性有機補修剤、微粒子コンポジットポリマーの特性を利用した自己修復性防食コーティングについて述べる。
- 金属材料の腐食現象
- 腐食の基礎、アノード反応、カソード反応
- 腐食の電気化学的評価方法
- 自己修復性防食コーティングとは
- 自己修復性防食コーティングの開発思想
- 修復剤
- コーティングの構造
- 修復のドライビングフォース
- 自己修復ポリマーコーティング
- 各種ポリマーコーティングの自己修復性
- 金属粒子添加の効果
- フルオロカーボン自己修復性表面処理
- 各種フルオロカーボンの自己修復性
- 最適条件の検討
- ナノ粒子と有機補修剤による自己修復コーティング
- ナノ粒子による構造皮膜
- 自己修復メカニズム
- 微粒子コンポジットポリマーによる自己修復性
- 微粒子添加の効果
- 自己修復メカニズム
第3部 ポリウレタン塗料の構造設計と自己修復機能の付与
(2012年5月23日 13:50~15:20)
日常製品の高機能化と耐久性の向上の一つに、耐擦り傷性の付与がある。各種手法があるがポリウレタン塗料の機能性強化の一つとしての自己修復性とそれによる耐擦り傷性付与について説明する。
- ポリウレタン塗料の基礎
- イソシアネート
- ポリオール
- 水性PUR
- 自己修復機能とは?
- 擦り傷防止の方向性
- ハードコートによる擦り傷防止
- セルフヒィーリング
- 今後の方向性
- HS
- WB
第4部 自己修復型自動車塗膜の適用事例と留意点
(2012年5月23日 15:30~17:00)
前半は、日産自動車の自己修復型自動車塗膜「スクラッチシールド」および開発フローを解説する。後半では、市場実績の無い新規機能性樹脂を自動車塗膜へ適用する際の留意点を解説する。
- 自己修復型自動車塗膜「スクラッチシールド」の開発
- 自動車用塗装
- お客様ニーズ
- 目標性能
- アプローチ
- 検証
- 新規樹脂を自動車塗膜へ適用する際の留意点
- 自動車塗膜に要求される要件
- 代表的な塗膜試験項目
- 代表的な塗装作業性評価項目
- 自己修復型自動車塗膜の留意点