リグニンを中心とした木質バイオマス利用/リグニンの精密構造制御と新機能探索

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本セミナーでは、植物資源 (リグノセルロース) と構成各成分の基礎から解説し、リグニンを扱う難しさ、注目すべき化学構造、性質の把握の方法、リグニンを扱う際の注意事項、リグニンの化学構造の把握の仕方・考え方、植物バイオマスの基盤炭素資源としての考え方について詳解いたします。

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プログラム

本講演では精密な分子設計に基づいたリグニンならびに植物細胞壁の化学的利用を扱います。リグニンは植物細胞壁中に普遍的に存在する生分解性の三次元フェノール系エーテル高分子です。リグニンは生命体としての植物を守るための高度な環境応答機能をそなえているため単離されたリグニン試料の構造や物性はプロセスに依存します。一般に複雑な反応環境に応答した「後」の状態を把握するためには、応答「前」の状態を知る必要があります。リグニン高分子の理解には植物細胞壁組成の形成過程を生物の視点から眺め、合成高分子と同様にモノマーと重合反応から考えることが重要です。また森林などの資源産出の現場で炭素循環を含む基盤生物としての役割を考えることによって、リグニンの化学構造や環境応答性の必然性が見えてきます。  次代の持続的な基盤炭素資源である植物バイオマス構成高分子成分に対する精密分離リファイニングと鋭敏な反応性を活かした精密構造制御、オンデマンド機能化、それらの応用可能性について解説します。

  1. 植物細胞壁の中の天然リグニンから考える
    1. リグニンが形成される植物細胞壁
    2. 二官能性モノマーからの天然リグニン高分子の形成
    3. 解放可能な三次元構造の形成
    4. 外部環境変化に応答する活性構造の反応
    5. 単離過程における外環境変化への活性構造の応答
    6. 活性構造に基づくリグニン誘導体のオンデマンド合成の可能性
    7. 化学利用のための原料の確保と加工
  2. 生態系を支える持続的な基盤炭素資源
    1. 循環炭素資源の生産と生態系サービスの維持
    2. 資源の持続生産に必要な林業・木材工業
    3. 伐採してから化学原料となるまで
    4. 植物資源の3つの評価軸「時間・エネルギー・機能」
    5. ダイナミックな炭素資源循環と機能の逐次発現
  3. リグノセルロースの精密分離リファイニング
    1. 不均一系でのリグニンの構造制御と活性構造安定化
    2. 常温・常圧下の高収率なリグニン/炭水化物精密分離システム
    3. 直鎖型熱可塑性リグニン試料:リグノフェノールとリグノアニソール
    4. リグニン誘導体のオンデマンド精密設計と化学修飾
    5. 直鎖型リグニン主鎖の選択的解放とカスケードリサイクル
    6. 炭水化物の加水分解制御
    7. 精密分離された各成分の応用の可能性
  4. まとめと質疑応答

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