昨年の311の大災害以降、一般の消費者の間でも、製品の信頼性・安全性保証への関心が高まっています。メーカーがそれに応えて行う最も一般的な方法は製品の信頼性試験です。しかし、そこには「数と時間の壁」という問題があり、時間が掛かる、費用が掛かる、結果が信頼できるかどうかわからないなどの不満がよく聞かれます。
この講座では、メーカーが押さえておくべき信頼性試験の基本となる原理と法則をやさしく紹介します。これにより、合理的に試験時間を短縮し、費用を節減し、数値的に信頼性保証を行うことが可能になります。また、数理統計学に基づく信頼性特性値の推定および検定の方法を演習を交えて体得することにより、試験結果を自信を持って報告することができるようになります。
なお、この講座で学ぶ信頼性試験、ワイブル解析、故障解析 (今回は故障モデルのみ) は三位一体の信頼性解析手法といい、トラブルの未然防止に有効な信頼性七つ道具 (R7) の一翼を担うものです。
- はじめに
- 信頼性の基礎知識
- 故障とは
- 信頼性とは
- 信頼性の尺度
- 信頼度
- 故障率
- 平均寿命 (MTTF, MTBF)
- 故障のモデル
- 故障物理的モデル
- ストレス・強度モデル
- 累積損傷モデル
- 反応論モデル
- 故障分布モデル
- バスタブ曲線モデル
- システム信頼性モデル
- 信頼性試験の基礎知識
- 信頼性試験とは
- 信頼性試験における「数と時間の壁」
- 信頼性試験の種類
- 信頼性試験計画上の留意点
- 信頼性試験実行上の留意点
- 信頼性試験データの解析手法
- 時間線図による信頼性データの表現法
- 動作状態 (OS) 図
- データ解析 (DA) 図
- CHM法
- 偶発故障データの統計的推定法 (演習)
- ワイブル確率プロット法 (演習)
- 計数データの解析法
- 信頼性抜取試験の原理
- 統計的検定と検査特性 (OC) 曲線
- 信頼性試験のための抜取方式の種類
- 指数分布に基づく計数1回抜取方式
- 指数分布に基づく計数逐次抜取方式
- ワイブル分布に基づく計数抜取方式 (形状パラメータmが既知の場合)
- 加速試験の原理
- 初歩的な加速の方法
- 加速係数の求め方
- 故障物理モデルに基づく加速試験法
- 複合ストレスの加速モデル
- 加速試験の留意点
- 定性的加速試験法 −HALT−
- まとめ
- 信頼性七つ道具 (R7) における三位一体の信頼性解析の役割
- 信頼性ストーリーにおける信頼性試験の位置付け