薬物動態解析シリーズ 全6日間コース

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2023年7月14日「薬物動態解析入門1: コンパートメント解析 (講義と演習)」

 医薬品の開発にモデリング&シミュレーション (M&S) が益々重要になってきており、臨床においてはガイドラインが策定されてきています。M&Sは、臨床ばかりでなく非臨床においても重要であり、創薬段階から薬効・毒性予測、ヒトにおける薬物動態予測、薬物間相互作用予測に利用することができます。しかしながら、M&Sを担う人材が不足しており、製薬会社では、M&S担当者の確保・育成が急務と考えていると思います。  本セミナーは、M&Sを担う薬物動態研究者を育成することを目的としています。薬物動態解析にはコンパートメントモデル解析、モーメント解析、生理学的薬物速度論モデル解析、PK/PD解析等、モデルを用いない簡単な解析から複雑なモデル解析まであります。高次の解析法を理解するためには、基本的な解析法の習得が必須です。本セミナーでは薬物動態解析の基礎となるコンパートメントモデルについての講義と演習を行います。

  1. モデリング&シミュレーション
    • 医薬品開発におけるM&Sの有用性
  2. コンパートメント解析とは
    • モーメント、PBPKモデルとの違い
    • コンパートメントモデルの有用性
  3. コンパートメントモデル
    • 静脈内
  4. コンパートメントモデル
  5. コンパートメントモデル
    • マルチコンパートメントモデル
  6. ラプラス変換について
    • ラプラス変換による微分方程式の解法
    • 演習
  7. 吸収プロセスを含んだモデル
    • 経口、インフュージョン
    • 反復投与
    • 蓄積比
  8. 薬物動態パラメータ
    • クリアランス
    • 分布容積
    • AUC
    • 半減期
  9. プロットによる解析
    • 残差法、シグママイナスプロット
  10. 最小二乗法
    • 最小二乗法について
    • 残差平方和、アルゴリズム、重み、赤池の情報量基準 (AIC)
    • ソルバーの使い方
    • 演習
  11. 数値計算
    • ルンゲクッタ法
    • シミュレーション例 (線形、非線形)
    • 演習
  12. 解析の実際
    • 解析解と数値積分によるシミュレーションの使い分け
    • うまく解析できない例
  13. 演習
  14. 質疑応答

2023年7月21日「薬物動態解析入門1: 実践 薬物動態解析1 – コンパートメントモデル解析」

 本セミナーは「薬物動態入門1 – コンパートメントモデル」受講者相当の知識を持った方を対象にしています。薬物動態解析の知識はあっても、経験が少なく使いこなせていないと感じる人が多く見受けられます。  教科書で勉強された方は、実務では教科書通りに解析できなかったという経験をされたことがあるのではないでしょうか。教科書の演習問題は限られており、必ずしも実践的ではないためです。  通常のセミナーでは講義:演習は6:4または7:3の割合ですが、本セミナーでは2:8の割合で行います。薬物動態解析の演習問題を数多く解くことにより解析力をつけてもらうことを目的にしているため、セミナー内では解ききれない数を用意します。簡略化した講義の後、それに対応した演習内容の解説をした後、解いていただき、解答を行うという形式で進めていきます。よく質問される内容を実践的に解きながら理解していただきます。  受講者から「こういうデータはどう解析すればよいとか」、「この解析結果はどうのように解釈すればいいか」等、解析法や解析結果について解説を行ってほしいという要望がありましたら、1週間前までにいただければ当日最後に解説します (テキストには載せず、講義でのみ) 。
※演習では、1-コンパートメントモデル、2-コンパートメントモデル解析用に4薬物のデータを準備します。

  1. 静脈内投与の解析
    • 重みづけ
    • AICの比較
    • 速度定数の算出
    • VdssとVdβの比較
    • α相とβ相の重要性
  2. 経口投与後の解析
    • ラグタイムの有無
    • Flip – flop
    • 静脈内投与との同時当てはめ
  3. インフュージョン
    • インフュージョン中、インフュージョン終了後の血漿中濃度推移の解析
  4. 尿中排泄
    • 血漿中濃度推移と尿中排泄推移の同時当てはめ
  5. 数値計算によるシミュレーション (ルンゲクッタ法)
    • 線形消失のシミュレーション
    • 非線形消失のシミュレーション
    • 経口投与時のラグタイムを複数のコンパートメントに置き換えたシミュレーション
  6. 受講者からの解説要望対応
    • 受講者からの要望により行います (要望がなければ演習)

2023年8月18日「薬物動態解析入門2: 非コンパートメント解析 (講義と演習)」

 薬物動態解析入門の第2弾は、非コンパートメント解析です。非コンパートメント解析としてモーメントとデコンボリューション解析があります。大学・企業ともに先ず行う最初の薬物動態解析は、モーメント解析です。コンパートメント解析に比べあまり取り上げられていないため、その重要性があまり知られていません。さらに、充分に理解していなことによるデータの誤解釈も見受けられます。モーメントとデコンボリューション解析は、データの特性を捉えるのに便利なため、モデリングを行う際にきわめて強力な武器になります。モデリング&シミュレーションを行うにあたり、非コンパートメント解析を理解している、していないで、解析力に大きな差が生じます。うまくデータがモデルにフィットしない原因が、かなりの確率で解消されます。簡単であり、奥が深い、解析法です。すべての薬物動態研究者が理解しておくべき必須の解析法と考えます。

※本セミナーは、薬物動態解析入門シリーズ (全3シリーズ) のうちの【Part2】となります。

  1. 医薬品開発における薬物動態解析
  2. モデル非依存解析がなぜ重要か?
  3. モーメント解析 (知っていそうで知らないモーメント解析)
    1. モーメント解析とは (平均滞留時間 (MRT) 説明できますか?)
    2. パラメータの意味と求め方
    3. クリアランスと分布容積
    4. 尿中排泄データからの求め方
    5. ラプラス変換との関係 (コンパートメントモデルを例にして)
    6. 生理学的薬物速度論モデル解析との関係
    7. 非線形動態におけるAUC、MRT、分布容積
    8. 誤解釈を招く解析例
      • 演習
  4. デコンボリューション (吸収評価に有用、理解すると応用範囲が広い)
    • 演習
  5. Wagner-Nelson法 (徐放化製剤の評価に有用、シミュレーションも可能)
    • 演習
  6. Loo-Riegelman法
  7. 実際の解析への利用
    1. 吸収評価
      • モーメント
      • デコンボリューション
      • Wagner-Nelson法
    2. 代謝物の評価
    3. 生理学的薬物速度論で用いる組織モデルの構築
    4. 非線形動態におけるバイオアベイラビリティ評価 (Wagner-Nelson法) 等
  8. 演習
  9. 質疑応答

2023年8月25日「薬物動態解析入門2: 実践 薬物動態解析2 – 非コンパートメントモデル解析」

 本セミナーは「薬物動態入門2 – 非コンパートメントモデル解析」受講者相当の知識を持った方を対象にしています。  非コンパートメント解析は、必ずと言ってもいいほど行われる解析法ですが、ここまで利用していないのかと残念に思う解析法です。コンパートメントモデルや生理学的薬物速度論モデルのように依存しない分、複雑な当てはめ計算を必要としません。本セミナーは薬物動態解析の演習問題を数多く解くことにより非コンパートメント解析の実践的な利用法を理解してもらうことを目的にしています。教科書では、学べない実践的な演習問題を用意します。  通常のセミナーでは講義:演習は6:4または7:3の割合ですが、本セミナーでは2:8の割合で、講義は演習を解くために行い、演習を主体に行います。薬物動態解析の演習問題を数多く解くことにより解析力をつけてもらうことを目的にしているため、セミナー内では解ききれない数を用意します。簡略化した講義の後、それに対応した演習内容の解説をした後、解いていただき、解答を行うという形式で進めていきます。  受講者から「こういうデータはどう解析すればよいとか」、「この解析結果はどうのように解釈すればいいか」等、解析法や解析結果について解説を行ってほしいという要望がありましたら、1週間前までにいただければ当日最後に解説します (テキストには載せず、講義でのみ) 。

  1. モーメントとdeconvolution解析
    1. 吸収評価 バイオアベイラビリティと吸収速度の種差の評価
    2. 吸収評価 逐次モデルと非平衡モデルの例
    3. 吸収評価 吸収ラグタイムを逐次モデルで記述する
    4. 代謝物のMRTとAUCの意味
    5. 組織分布の解析 well – stirredモデルで記述できない組織のモデル選択
    6. PK/PD解析 間接反応モデルでの応用法
  2. Wagner – Nelson法
    1. 徐放化製剤での吸収評価
    2. 非線形を示すタンパク製剤のバイオアベイラビリティ評価
  3. コンボリューション
    • 徐放化製剤の血漿中濃度推移のシミュレーション
  4. 受講者からの解説要望対応
    • 受講者からの要望により行います (要望がなければ演習) 。

2023年9月15日「薬物動態解析入門3: 生理学的薬物速度論 (PBPK) 解析 (講義と演習)」

 薬物動態解析入門の第3弾、生理学的薬物速度論 (PBPK) モデル解析です。  PBPKモデルでは生体を模倣したモデルであることから、生理的機能が変化した際の体内動態変動を評価・予測することができます。In vitroからのin vivo予測、薬物間相互間相互作用予測、肝障害、腎障害時の体内動態予測、加齢による機能低下時の予測など極めて広範な予測を行うことができます。多くの方は、市販ソフトを用い、PBPKモデルを1から組み立てた方は、少ないと思います。  本セミナーではPBPKモデルの基本とモデルを組み立てる際に必要なパラメータの取得と解析法を解説します。簡単なモデルからモデルを組み立て、シミュレーションを行い、シミュレーション結果を解析することにより、設定パラメータを算出するという演習を繰り返し行います。実際にデータをとり、解析を行い、PBPKモデルによるシミュレーションを行うことを疑似体験してもらいます。他の解析法も「こういう繋がりがあるんだ」と理解が深まります。

  1. 薬物動態解析における生理学的薬物速度論解析
  2. 組織クリアランスの考え方
    1. 組織クリアランス、抽出率、アベイラビリティ
    2. 組織モデル
      • 肝臓モデル
      • Well-stirred model, parallel tube model, dispersion model, 5-compartment model
      • 腎臓モデル
    3. PBPKモデルで必要なパラメータ
      • Rb値、血漿非結合型分率、肝固有クリアランス、糸球体濾過速度
    4. 演習
      • Fhの計算
      • In vivoデータからのFh, 固有クリアランスの計算
      • 血流律速、固有クリアランス律速の薬物の変化
  3. 分布容積
    1. Kp値と定常状態分布容積
      • Kp値は分布試験のT/Bでない
      • VssとVzの関係はここから始まる
    2. 演習
      • 定常状態分布容積の計算
      • タンパク結合率変化による薬物動態変化
  4. モデルの組み立て
    • 物質収支式の組み立て方
    • 肝だけのフローモデル
    • 肝+筋肉
    • モーメント、デコンボリューションによるパラメータの算出
  5. 質疑応答

2023年9月22日「薬物動態解析入門3: 実践 薬物動態解析3 – 生理学的薬物速度論 (PBPK) 解析」

 本セミナーは「薬物動態入門3 – 生理学的薬物速度論モデル解析」受講者相当の知識を持った方を対象にしています。  生理学的薬物速度論は、ガイドラインも作成され、今後の医薬品開発に最も利用されると解析法と思われます。しかし、最も経験が少ない解析法でもあります。多くのパラメータが必要であり、そのパラメータの意味は教科書に書かれていても、求め方までは書かれていません。また、微分方程式を数値計算で解くため、専用のソフトウェアが必要になります。コンパートメントモデル解析、非コンパートメントモデル解析に比べ、圧倒的に、経験が少ない分野になります。実際にモデルを組み立て、シミュレーションを行う演習を簡単なモデルから行っていきます。数多くのシミュレーションを行っていただきます。  通常のセミナーでは講義:演習は6:4または7:3の割合ですが、本セミナーでは2:8の割合で行います。薬物動態解析の演習問題を数多く解くことにより解析力をつけてもらうことを目的にしているため、セミナー内では解ききれない数を用意します。簡略化した講義の後、それに対応した演習内容の解説をした後、解いていただき、解答を行うという形式で進めていきます。  受講者から「こういうデータはどう解析すればよいか」、「この解析結果はどうのように解釈すればいいか」等、解析法や解析結果について解説を行ってほしいという要望がありましたら、1週間前までにいただければ当日最後に解説します (テキストには載せず、講義でのみ) 。

  1. In vivoデータの解析
    • 肝クリアランス
    • 肝アベイラビリティ
    • 小腸アベイラビリティ
    • バイオアベイラビリティ
  2. 必要なパラメータの算出
    • Kp値の算出法
    • 組織分布試験
    • In silico計算
    • Integration plotによる組織取り込み評価
  3. モデルの組み立て
    • 物質収支式の組み立て方
    • 静脈内投与
    • 肝だけのフローモデル
    • 肝+筋肉+α
    • 肝取り込みトランスポーターを組み込んだモデル
    • Deep compartmentの組み込み
    • 経口投与
  4. ハイブリッドモデル
    • 組織分布の解析とシミュレーション
  5. 受講者からの解説要望対応
    • 受講者からの要望により行います (要望がなければ演習)

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